車のおでかけ「熱中症」は5月こそご用心!? 真夏より怖い「暑熱順化」への対応とは

熱中症と聞くと主に真夏に発生する症状と思われがちですが、暑さのはじまりである5月こそが最も注意すべき時期だといいます。車内での熱中症対策は、どのようにしたら良いのでしょうか。

人間の身体は日々の暑さを徐々に慣れながら耐性をあげていく特性がある

 例年5月は天候の良い日が多く、GW以降もクルマでレジャーに出かける人も多いでしょう。暦としては春にあたる5月ですが、最高気温が25度以上の夏日や、30度以上の真夏日になることもあります。
 
 しかし身体は「暑熱順化(しょねつじゅんか)」されていないため、特に「熱中症」の注意が必要だといいます。どういうことでしょうか。

5月は爽やかな新緑のシーズンですが、真夏とは違った熱中症のリスクがあるといいます[画像はイメージです]
5月は爽やかな新緑のシーズンですが、真夏とは違った熱中症のリスクがあるといいます[画像はイメージです]

 人の身体は、気温の上昇が長期的に続くことで暑さに慣れ、暑さへの耐性が強くなります。これを暑熱順化といいます。

 しかし暑さが始まる5月では、まだ十分に暑熱順化されていないため、熱中症の注意が特に必要だという訳です。

 熱中症は、暑い環境で過ごすことで脱水などを起こし体温調節機能が失われ、体温が上昇して発生する症状を指します。

 頭痛やめまい、吐き気やおう吐、無気力感や意識の混とんなどの体調不良が見られ、時には死につながることもあります。

 総務省の発表によると、2021年5月に熱中症で搬送された人は全国で1626人。翌2022年5月は2668人と、前年よりも人数が増えています。

 特に、車内での熱中症には注意が必要です。車内は、外気温よりも密閉されやすいため高い温度になりやすく、長時間いると体温が上昇し、熱中症になるリスクが高まります。

 JAF(日本自動車連盟)は2019年5月初旬、車内温度の上昇に関する実験(JAFユーザーテスト)を行いました。

 この実験では、屋外の直射日光が当たる公園の駐車場に軽ワゴンと大型SUVの2台を駐車し、1時間後の車内とダッシュボードの温度を測定しています(気温:23度から24度/天候:晴れ)。

 その結果、軽ワゴンの車内温度は25度から37.5度に、大型SUVは25度から43.5度にそれぞれ上昇したといいます。

 またフロントガラスに直接照らされるダッシュボードについては、軽ワゴンが33.2度から41度に、大型SUVは29.9度から57.3度にまで上昇しています。

 この結果からも、5月であっても車内温度は1時間で40度前後にまで上昇することがわかります。

 特にSUVの温度が高くなった要因として、フロントガラスの面積が広くガラス面の角度も浅いため、直射日光が入りやすいことが考えられます。

 朝晩が涼しいため、日中の温度に対して油断しやすい5月は、暑熱順化されていないこともあって、特に注意が必要といえるでしょう。

 このようにJAFのテストでもわかる通り、短時間でも車内の温度は高温になります。

 なかでも子どもは体温調節機能が未熟なため、特に熱中症になりやすいといわれています。また高齢者も、喉の渇きや体調の変化に気づきにくく、熱中症のリスクが高いので注意が必要です。

 子どもや高齢者、そしてペットなどを車内に残してクルマから離れることは、例え短時間であっても絶対にしてはいけません。

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