めちゃ「真四角」! もはや懐かしい日産の「超コンパクトSUV」に再注目!? 可愛すぎる「ラシーン」は現代にもあるべき?
1994年、日産はコンパクトな4WD車「ラシーン」を発売しました。SUVブームのはるか前に誕生した個性的なSUVについて紹介します。
コンパクトSUVブームが巻き起こるはるか前に現れた個性派小型SUV「ラシーン」とは
世界的なSUVブームが巻き起こるなか、2010年代頃からは都市部でも扱いやすいサイズのコンパクトSUVの人気が高まり、国内各社から多数のモデルが登場しています。
しかしそんな一大ブームのはるか前、日産は世界に先駆けて個性的なスタイルのコンパクトSUV「ラシーン」を発売していました。その功績をあらためて振り返ります。
ラシーンが初めて登場したのは、1993年10月に開催された第30回東京モーターショーのことでした。
日産ブースで「都市から広い自然まで、生活空間を広げる乗用車感覚の新ジャンルのRV」として参考出品されたラシーン。ユーザーからの反響も高く、日産に対し市販化を要望する声が数多く寄せられたといい、翌1994年12月には正式に発売されています。
車名の由来は「未知なる旅の“水先案内役”をイメージした『羅針盤(らしんばん)』からの造語」だと日産では説明します。
全長4m弱で、5ナンバー規格に収まるコンパクトでスクエアなボディに、1.5リッター「GA15DE」型ガソリンエンジンを搭載し、駆動方式はフルオート・フルタイム4WDのみの設定です。トランスミッションは4速ATと5速MTが用意されていました。
フロントグリルガードやルーフレール、大型アウタースライドガラスサンルーフなど、SUVらしい装備も多数用意。このほか、上下開閉式バックドアやナチュラルテイストのボディカラー、明るいチェック柄のシートなど、個性的なスタイルを特徴としています。
珍しいところでは、屋外でも楽しめる脱着式の高輝度テレビもオプションで設定されていました。
1997年1月にはマイナーチェンジを実施し、フロントグリルの造形を変更したほか、運転席・助手席のデュアルエアバッグやABSを標準装備化。加えて、1.8リッター「SR18DE」型エンジン搭載のFtシリーズを追加し、走行性能の向上も図っています。
さらに1998年4月には、前年1997年の第32回登場モーターショーに参考出品した「ラシーン フォルザ」を正式発売し、ラインナップを拡充しています。
2リッター「SR20DE」エンジンを搭載したほか、丸目4灯ヘッドライトや新デザインのフロントグリル、大型フェンダーに加え、リアクオーター部の窓まわりなどの形状もリニューアルし、イメージを一新させた上級スポーティ仕様でした。
ボディサイズも拡大したことから、ラシーン フォルザは3ナンバー仕様となっています。
そしてラシーンシリーズは2000年、およそ6年に渡る生産を終えました。残念ながらその後、個性的なスタイルと手ごろなサイズを維持した実質的な後継車は登場していません。
ただ、いま改めて最終のラシーン フォルザを見てみると、2000年11月に発売を開始した初代「エクストレイル」(T30型)と、スクエアなフォルムなどに、どこか共通性が感じられるところではあります。
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近年のキャンプブームを生み出したといわれる人気コミック「ゆるキャン△」で、主人公のお姉さんが乗る愛車として登場するなど、ラシーンが再び密かに注目を集めているようです。
ラシーンの現役時代とは異なり、各社からコンパクトSUVが数多く登場する現在でも、ラシーンのように低めの全高とスクエアなボディを兼ね備えたモデルは、軽自動車以外ではあまり見当らないのが現状です。
かつてのイメージを継承した現代版ラシーンが再販されれば、再び注目を集めるかもしれません。
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