なぜ「フェンダーミラー」を今も標準化!? 今や絶滅危惧もトヨタ「JPNタクシー」に継続採用される理由とは
かつてセダンの定番装備となっていた「フェンダーミラー」ですが、時代の移り変わりにより現在では「ドアミラー」が標準装備となっています。そうした中でミニバンをベースとしたトヨタ「JPNタクシー」では現在もフェンダーミラーを採用していますが、なぜなのでしょうか。
あまり見かけないフェンダーミラーがいまでもタクシーに採用される理由
かつてのクルマでは、ボンネットの左右となるフェンダー部分にミラーが装着された「フェンダーミラー」が一般的でした。
しかし最近のクルマでは、車両側面のAピラー付近に装着されているのが一般的ですが、なぜ現在でもタクシーなどに採用されているのでしょうか。
日本でフェンダーミラーは、1950年代から使われており、1983年にドアミラーの装備規制が解除となるまではフェンダーミラーが基本的な仕様でした。
しかし海外ではすでにドアミラーが主流だったこともあり、ドアミラー規制の緩和後は日本でもドアミラーがメインになります。
そのため、規制緩和後に登場したクルマはデザイン的な理由が無い限りはドアミラーが一般的となっていきました。
しかし、現在でもタクシーなどの一部車両でフェンダーミラーが標準装備となってます。
では、なぜフェンダーミラーはタクシーで採用が続けられているのでしょうか。
かつてタクシーのベース車両といえば、トヨタ「クラウンコンフォート/コンフォート」や日産「クルー」や「セドリック」が定番で、もちろんフェンダーミラーを採用していました。
また日産は2010年から2021年までタクシー専用車として「NV200 タクシー」を販売していましたが、ドアミラーとなっています。
一方で2017年にトヨタはコンパクトミニバン「シエンタ」をベースとしたJPN TAXI(ジャパンタクシー)」を発売しました。
シエンタはドアミラーですが、JPN TAXIにはフェンダーミラーが採用されています。
なぜJPN TAXIには現在、主流とは言えないフェンダーミラーを採用するのでしょうか。
トヨタは「お客さまの様子をスマートに確認できること」が、フェンダーミラーのメリットにまず挙げられると言います。
また車体のサイドや後方にいる利用客の様子を確認する場合、ドアミラーだと見えにくいため、運転手自身が振り返らないといけないそうです。
しかし、フェンダーミラーは広く後方を映すことができるため、後ろを振り返らずスムーズに確認することが可能だと言います。
また、トヨタは「車体前方の車幅確認ができる」という点もメリットとして挙がています。
クルマの車幅が分からないとすれ違いのときなど難儀しますが、フェンダーミラーは車体前方の両側に装備されているので、車幅を把握する目安になる、ということです。
トヨタによると、このような「実用性」を考慮してフェンダーミラーを標準装備に採用していると言います。
あまり見ないフェンダーミラーですが、「実用性」で見ると非常に優れた機能を持っているのです。
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