高齢運転者、認知症ならば随時「免許取り消し」も 改正道交法、その狙いと懸念

認知機能に着目した新制度 運転をやめた人には何ができるか

 警察庁は今回の新制度について、高齢運転者の認知機能を適切に把握し、認知症かどうか医師の判断を求める機会を増やし、事故の抑止につなげる狙いがあるといいます。全日本指定自動車教習所協会連合会によると、認知症と診断されたことによる運転免許取り消しなどの年間処分件数は、2009(平成21)年の228件から、2015年には1472件と約6.5倍に増加しています。

 一方で、日本認知症学会をはじめとする4学会は合同で政府に対し2017年1月、改正道路交通法と高齢運転者の事故防止に向けた声明を発表しました。これによると、認知症の進行にともなう運転リスクは自明である一方で、ごく初期の認知症や軽度認知障害の人と一般高齢者のあいだで、運転行動の違いは必ずしも明らかではないといいます。運転不適格かどうかは、医学的診断に基づくのではなく、「実際の運転技能を実車テスト等により運転の専門家が判断する必要がある」といいます。

 また声明では、運転を中止した人は生活範囲が狭まることなどから、公共交通の整備や、自動運転といった運転を代替する技術の開発により、運転中止者の「生活の質」が保証されるべきとしています。

 今回の新制度が、事故を減らすだけでなく、運転を中止した高齢者に優しい社会づくりや、自動運転などの技術開発を推進することにつながっていくかもしれません。

【了】
提供:乗りものニュース

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