軽ワンボックスボディに「7人乗り」!? 極小すぎ!「シエンタ」よりもミニマムな国産「超コンパクトミニバン」4選

●トヨタでも軽自動車ベースのコンパクトミニバンを売っていた!?

 スズキのライバルであるダイハツも、2000年に「アトレー7(セブン)」を発売しています。

 こちらもその名前から想像できる通り、同社の軽ワンボックスワゴン「アトレー(4代目)」に1.3リッター直列4気筒エンジンを載せ、7人乗りとしたモデル。

 ボディの幅自体はアトレーと同じで、数値拡大分が付加部品(モール)によるのはエブリイプラスの手法と同じですが、アトレー7では、リアタイヤから後ろを延長する方法で車内空間を広げており、特筆に値します。

 それに応じてフロントバンパーも大きく造形され、アトレーよりも力強いイメージを得ていました。

 またアトレー7では、軽自動車をベースとした1リッタークラスワゴンで唯一、商用モデルの「ハイゼットグランカーゴ」を用意しており、イギリスにも「エクストール(Extol)」という名前で輸出を行っていました。

 さらにアトレー7は、トヨタでも「スパーキー」として販売。トヨタでは最小クラスのミニバンでしたが、価格設定がアトレー7よりも高額だったこともあり、販売は苦戦しました。

●三菱の「タウンボックスワイド」は6人乗り!

 三菱も、軽ワンボックスワゴン「タウンボックス」に1.1リッター直列4気筒エンジンを搭載、ボンネットの延長・オーバーフェンダーの採用で車体サイズを大きくした「タウンボックスワイド」をカタログに載せていました。

 1999年に発売された同車は、7人乗りではなく2+2+2の6人乗り。しかも3列目は跳ね上げ式で、かつ観光バスの補助席のようなつくりと、実質的には緊急用ともいえる仕様のため、エブリイプラスやアトレー7と比べると、やや商品力の低さは否めませんでした。

三菱「タウンボックスワイド」の3列目席は写真の通り「補助席」のような小ささでした
三菱「タウンボックスワイド」の3列目席は写真の通り「補助席」のような小ささでした

 このように3メーカーから揃った、軽自動車ベースの1リッタークラスミニバン。

 しかしエブリイプラスは6年、アトレー7は3年、タウンボックスワイドに至ってはわずか2年しか販売されず、しかも、いずれにも後継モデルは現れていません。

 これは、軽自動車ベースのため室内空間・走行性能に限界があったことと、1990年代末からトヨタ「カローラ スパシオ」「シエンタ」など、小型車ベースの3列シートモデルが続々と誕生しはじめたためです。

 生産が終わって20年ほど過ぎたジャンルですが、狭い街中でも扱いやすい超ミニマムな3列シートミニバンとしての魅力があるのも確か。今後、同様なモデルが登場することを密かに期待したいところです。

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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