衝撃の「青い救急車」爆誕!? なぜ「ド派手」外装で登場? 意外すぎるデザイン採用に込められたメッセージとは
消防や救急現場の各種ハードウェアを制作するベルリングは、コンセプトカー「青い救急車」を制作しました。どのようなクルマなのでしょうか。
「青い救急車」登場には「救急現場の課題」が背景
救急車や搬送用ストレッチャーなど、消防や救急現場の各種ハードウェアを制作するベルリングは2023年4月7日、コンセプトカー「青い救急車」を制作したと発表しました。
今後、民間救急用の車両導入を目指すとしています。
青い救急車は、トヨタ「ハイエースバン」をベースにベルリングが2020年に開発した新型救急車「C-CABIN」を、ブルー基調の目立つデザインへと変更したコンセプトカーです。
C-CABINは、赤色灯の発光範囲を広げる設計やサイレンの音が広範囲に聞こえる設計とすることで、救急現場における課題である「救急車の現場到着時間の増加」の解決実現を目指すことを目的に開発。
しかし、現場の救急隊員から「人によっては濃い赤色は非常に暗い色に感じるため、赤色灯自体を視認しづらい方もいる」という指摘が挙げられたと言います。
実際に、色の見え方が一般の人とは異なる色弱者の方は日本の男性の約20人に1人、女性の約500人に1人の割合でいることもあり、緊急車両への優先意識向上を呼びかけることを目的として、色弱の方でも暗く感じにくく一般の方にも目立つ青色ベースカラーと目立つデザインを採用し、制作したということです。
デザインは東京都出身の画家で、作品に青色を多く用いる山口 歴氏が担当。空や雲、海といった自然をモチーフに、普遍的な表現を追及したものであると説明します。
また、NPO法人のカラーユニバーサルデザイン機構によるデザイン面の検証も実施。
色の見え方の異なる様々な人に対して、わかりやすいデザインとなっていることを示す「CUDマーク」を取得しています。
一方で、現在は法令により緊急車両として使用する救急車の色が「白」に指定されていることから、まずは緊急性の低い患者を輸送する役割を持つ緊急走行はしない民間用救急車として導入することを目指すとしています。
青い救急車のデザイン担当 山口 歴氏は以下のようにコメントしています。
「ベルリングの飯野塁さんと初めてお会いした際、お父さまが消防士だった塁さんの救急車開発に対するただならぬ熱意を感じました。
青色の救急車のデザインと聞いた時は正直驚きましたが、青色の救急車の方がより多くの方々に認識されるカラーだと伺い、デザインを担当させて頂きました。
青空に浮かぶ雲をイメージしてデザインし、救急車に落とし込んでいます。このデザインで本当の意味で少しでも人の役に立てれば幸いです」
また、ベルリング代表取締役CEO 飯野 塁氏も以下のようなコメントを発表しています。
「世の中には、命を削って救急活動をしている方々が沢山います。
この『青い救急車』を通じて、少しでも多くの方々に緊急車両への優先意識を強く持っていただき、現場の救急隊員の方の負担軽減、及びより多くの方の人命救助につなげることができたら幸いです」
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