もはや懐かしい! スーパーカーと国産車「灯火類」が共通だった? なぜ「ランボルギーニと日産車」「ロータスとトヨタ」“共通パーツ”採用していたのか
クルマのデザインのキモとなる灯火類ですが、実はメーカーの垣根を超えて流用されているものが少なからず存在します。ランボルギーニと日産、ロータスとトヨタといった意外なパーツ流用はなぜ行われたのでしょうか。
スーパーカーと国産車で灯火類が共通なこともあった?
クルマのデザインのキモとなる灯火類。特にヘッドライトは“目”と表現されるほど、その車種の印象を形作る重要なファクターとなっています。
1980年代前半くらいまではヘッドライトのデザインの自由度が低く、規格ライトと呼ばれる角型、もしくは丸型のものが中心となっていましたが(国によっては規格ライトでないとNGというところも)、その後は技術の進化もあってさまざまな形状のヘッドライトが生まれているのは皆様ご存知の通りです。
そんな灯火類ではありますが、実はメーカーの垣根を超えて流用されているものが少なからず存在します。その代表格とも言えるのが、スーパーカーメーカーとしておなじみ、ランボルギーニから販売されていた「ディアブロ」のヘッドライトでしょう。
日本でスーパーカーブームの立役者となった名車「カウンタック」の実質的な後継車種として1990年に登場したディアブロは、カウンタックと同じくリトラクタブルヘッドライトを採用してデビューしました。
しかしその後、ヘッドライトを昼夜問わず常時点灯することを義務付ける国や地域が出てくるなど、ヘッドライトにまつわる法規が変更となってきたことを受けて固定式のヘッドライトに置き換えることを模索します。
ただスーパーカーらしいスラントノーズにマッチし、かつ十分な光量を実現するヘッドライトを新規製作するのはなかなか難しかったようで、白羽の矢が立ったのが、日産のZ32型「フェアレディZ」のヘッドライトユニットだったというワケです。
ちなみにランボルギーニは日産側に部品供給を依頼したものの合意に至らず、一般ユーザーと同じくヘッドライトを購入することになったというウワサもあり、そのためか「NISSAN」のロゴが入るヘッドライト上部はガーニッシュを装着して隠す念の入れようとなっていました。
一方、長きにわたって良好な関係を築いているメーカー同士の灯火類流用というものもちろん存在します。
その代表的なものとして、ロータス「エスプリ」のビッグマイナーチェンジ後のモデルのテールランプにはAE86型「カローラレビン」(前期型3ドアハッチバック用)が使われているという事例が挙げられるでしょう。
ロータスとトヨタの関係は古く、1981年に登場した2代目「セリカXX」のサスペンションの開発をロータスに依頼したことがきっかけとなっており、その後の「エリーゼ」「エキシージ」「エヴォーラ」といったロータスを代表するモデルには、トヨタ製エンジンが搭載されていました。
また2017年に発売された「ヴィッツGRMN」には、エリーゼSに搭載されていたスーパーチャージャー付2ZR-FE型エンジンが、ロータスチューンドエンジンとして搭載されたことも記憶に新しいところ。
このように実は他車種の灯火類を流用しているスーパーカーは意外に多く、アストンマーティン「DB7」のテールランプにはマツダ「ファミリアアスティナ」のものが、アメリカのベクター社がリリースした「ベクターM12」には「ユーノスロードスター」のフロントコンビランプが使われているなど、事例は多岐にわたります。
これは少量生産のスーパーカーだけに、わざわざ専用の灯火類を設計、生産するよりも、既存のものを流用(もちろんデザインがマッチしていることが大前提ですが)した方がコストを抑えることができるという裏事情もありそうです。
世の中には様々な事情から意外なクルマ同士が、灯火類だけでなく色々な共通パーツを採用していることがあります。そういった部分を見つけるのも一興かもしれません。
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