え、車が止まらない!? 万が一の時に車を「緊急停止」させる「最終手段」とは
クルマが走行中、何らかの理由で停止できなくなる事態に陥った場合、ドライバーは何をすればよいのでしょうか。万が一に備えて知っておきたい緊急対応の方法を紹介します。
覚えておきたい! 万が一の事態における「車両の緊急停止」方法とは
運転中、故障や何らかのトラブルが原因でクルマが暴走してしまった場合、緊急停止させるにはどうすればよいのでしょうか。
万が一の緊急事態に備え、最終手段としてエンジンを停止させ暴走を止める方法について考えます。
走行中、何らかの理由によりアクセルが戻らなくなるなど、クルマのコントロールが利かなくなったら、できるだけ安全な方法でクルマを停止する必要があります。
車両のメカニズム上のトラブルも想定されますが、足元のフロアマットがズレてしまい、アクセルペダルと重ってしまった事例なども、過去には見られるようです。
また近年多く報道されている「アクセルとブレーキの踏み間違い」という事例もあります。
ドライバーが冷静さを失いパニック状態となってしまい、ペダルを踏み間違えたままになってしまうケースです。
とはいえ、車両自体に何らかのトラブルを抱え、アクセルが開いたままになってしまうケースもないとは言い切れません。
ともあれ、まずは冷静にブレーキペダルを強く踏み、クルマを減速させることが大前提となります。
それでももし止まらない場合、最終的には走行中にエンジンを緊急停止させなければなりません。
あくまでも最終手段という前提ですが、キーを回してエンジンをかけるタイプのクルマであれば、キーを戻すことでエンジンを切ることができます。
ただしエンジンを切るとブレーキの倍力装置やパワーステアリングなどが利かなくなるため、しっかりと減速してからでないと危険です。キーを戻すのは、本当に最後の最後に行う方法だと考えてください。
一方で、近年主流のボタンを押してエンジンをかけるタイプのクルマでは、走行中に軽くボタンを押しただけではエンジンを切ることができなくなっています。
そのため、万が一クルマが止まらなくなったときのために、緊急停止する方法を知っておくことが大切です。
例えばトヨタ「プリウス」の取扱い説明書には「車両を緊急停止するには」という項目があります。
ここで紹介されているのが、「万一、車が止まらなくなったときの非常時のみ」という前提条件における緊急停止の方法です。
まずクルマの加速を止めてスピードを落とすためにブレーキを両足で強く踏み続け、シフトポジションを「N」に入れます。
このとき、ブレーキを繰り返し踏むのではなく、一度踏んだらそのまま強く踏み続けることがポイントです。
ブレーキを繰り返し踏むと通常より強い力が必要になるほか、ブレーキをかけ始めてから停止するまでの制動距離が長くなるためです。
この方法で、シフトポジションが「N」に入れば、そのまま減速して道路脇などの安全な場所へ停車してからエンジンを停止します。
しかし、もしシフトポジションが「N」に入らなかったら、そのままブレーキを強く踏み続けて可能な限り減速させてから、エンジンを停止して安全な道路脇などにクルマを停めます。
プリウスでは、エンジンスイッチを2秒以上押し続ける、あるいは素早く3回以上連続で押すことで、走行中にエンジンを停止することが可能です。
先にも記した通り、エンジンを停止してしまうとハンドルやブレーキの操作力補助がなくなり、操作が困難となる可能性があります。
緊急停止が必要になった場合には、すぐにエンジンを切るのではなく、しっかり減速して安全な場所に移動してからエンジンを切るという手順を覚えておくとよいでしょう。
ほかのクルマでも、エンジンを緊急停止する方法が備えられています。
日産「ノート」の場合も、エンジンスイッチを素早く3回押すか、2秒以上押し続けることでエンジンを緊急停止することが可能です。
ただしプリウス同様に、エンジンが停止するとブレーキの利きが悪くなったり、ハンドルが重くなったりしてコントロールが難しくなるため、可能な限り減速してから停止させるようにしましょう。
またホンダの軽自動車「N-BOX」も「ENGINE START/STOP」ボタンを走行中の緊急事態に使用でき、ボタンを約2秒以上押すか、連続して3回押すことでエンジンが停止するといいます。
このように、エンジンのオン・オフをボタンで操作するタイプのクルマでは、ボタンを一定以上長押しするか、連続で押すことで停止できるクルマが多いようです。
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万が一クルマの故障や何らかのトラブルでクルマが暴走してしまった時には、クルマをできるだけ減速させてから、安全な場所で最終的にエンジンを停止する必要があります。
エンジンのオン・オフをボタンで操作するタイプのクルマで、走行中にエンジンを切るためには、ボタンを長押ししたり連続で押したりするなど、普段と違う操作が必要になります。
普段から愛車の取扱い説明書をよく読んで、万が一に備え緊急停止する方法を確認しておくとよいでしょう。
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