トヨタ「アルファード」に強敵出現!? 似せ過ぎ「高級ミニバン」が凄い! タイ市場でお披露目
アルファードのライバルが続々登場。ただし…
そんななか、2022年3月22日から開催されている「バンコク国際モーターショー」では新しい動きがありました。
中国メーカーの「MG」と「BYD」のブースに新しいミニバンが展示されたのです。
なお、MGはかつて英国のブランドでしたが、現在は実質的にブランドだけが中国の上海汽車に吸収されて新興国市場を開拓する役割を担っています。
MGの「MAZUS9」とBYDの「DENZA D9」はいずれも全長5.2mを超えるラージサイズで、アルファードをベンチマークとしていることは一目瞭然。
両車ともバンコク国際モーターショーに展示されていた車両は3列シートで、2列目に大きくラグジュアリーなシートを装備します。
インテリアの作り込みもラグジュアリーセダンを思わせる上質なもので、相当にアルファードを意識していることが伝わってきました。
一方でアルファードと大きく異なるのは、EVを前提にしていること。
タイにおいて中国ブランドはEVを全面的に押し出した攻勢をかけて日本車との違いを明確にしており、展示されたミニバンの2台もEVなのです(DENZA B9は本国では1.5リッターエンジンを組み合わせるPHEVも展開)。
EVはバンコクを中心に増えつつありますが、まだ多く走っているというわけではありません。
2022年の販売台数は1万2000台ほどでした。しかし、2023年は5万台まで増えるという予測もあり、その理由は政府の優遇政策で新車購入時の税金が安く済むことや走行コストがガソリンの数分の一で済むことがあげられます。
そういった追い風の影響を受ければ、これらのEVミニバンは「アルファードではない選択肢」として成功する可能性も否定できません。
アルファードよりも売れるとは考えにくいですが、一定の支持を得て採算ラインに乗せられるだけの販売実績が作れれば成功といえるでしょう。
価格未定ながらすでにタイでの受注予約をはじめているMAZUS9に対し、DENZA9はタイで正式に発表されたモデルではなく、今回の展示は「試乗の反応を確かめるため」としています。
しかし、様子を見ている限りは来場者の反応も良く、市場投入される可能性が高そうでした。
ちなみにDENZAというブランドはBYD傘下ですが、メルセデス・ベンツの合弁事業でもあります。
すなわちメルセデス・ベンツの血が流れていることも、注目すべきポイントでしょう。
Vクラスの惨敗をしたメルセデス・ベンツが、別ブランドのEVで取り返せるかが興味深いところです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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