なぜクルマのドアノブは統一されない? 「フラップ型/グリップ型」混在する理由は? 一部「格納式フラット型」も存在する訳

ひと昔前ではクルマのドアノブにフラップ型が採用される例が多くありました。しかし最近ではグリップ型を採用する例が増えていますが、どちらかに統一されず混在する理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

グリップ型は使い勝手が良いけども…あえてフラップ型を採用する理由とは

 これまでの流れとしてフラップ型よりもグリップ型の方がメリットが多いように感じされますが、それでもフラップ型やそれに類似する「格納フラップ型」などを採用するモデルもある存在します。

 例えば、レクサス「LC」や日産「GT-R」、ホンダ「NSX」などは一見ドアパネルにフラットに見える格納式のフラップ型を採用しています。

 これについて、前出の国産メーカーB社の担当者は次のように話しています。

「グリップ型ではなく、フラップ型を採用する主な理由には、スポーティなモデルなどがデザインや空力を優先してフラップ型を採用していることが多いです。

 最近のフラップ型は、従来の上方向に持ち上げるタイプではなく、ドアパネルに埋め込まれているようなタイプが多くなっています。

 これはデザイン面で、クルマのドアを『一枚板』に見せる効果があり、ドアノブの存在感を限りなく薄くすることで、ボディのラインをより伸びやかに表現し、モデルごとのキャラクターを強調できるというメリットがあります。

 また同時に突起物はクルマの空力性能に大きく影響します。そのため、サイドの空力をいかに上手に処理をするかという部分ではフラットのほうが良いと言えます」

ホンダ「ステップワゴン」では前ドアから後のスライドドアまで繋がったようなデザインのグリップ型を採用している
ホンダ「ステップワゴン」では前ドアから後のスライドドアまで繋がったようなデザインのグリップ型を採用している

 その一方で現在も商用車の多くではフラップ型を採用している例があります。

 その理由ついて国産メーカーC社の担当者は次のように話しています。

「商用車の場合、積載量を多く確保するために室内空間を広くする様々な工夫が施されています。

 そのひとつとして、ドアノブにフラット型を採用していることがあります。

 これはフラップ型とグリップ型では構造上ドアノブの厚みが異なり、少しでも薄く出来るフラップ型を採用しています」

※ ※ ※

 このようにサイドビューで最も目立つ存在となるドアノブですが、日常的な用途が多い乗用車などではグリップ型、スポーティなモデルでは格納式フラップ型、そして室内空間が重視される商用車ではフラップ型と、そのクルマの用途によって異なるようです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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