2023年はナニが変わった? 進化し続ける「GR86/SUBARU BRZ」の2台… スーパー耐久シリーズ開幕前の現状とは
スーパー耐久シリーズ2023のST-Qクラスに参戦するORC ROOKIE Racingの28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」と、Team SDA Engineeringの61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」ですが、開幕前の公式テストではどのような現状だったのでしょうか。
2022年、カーボンニュートラル燃料を使ったトヨタ「GR86」とスバル「SUBARU BRZ」がスーパー耐久シリーズ2022に参戦しました。
2023年もスーパー耐久シリーズに参戦しますが、2年目となる中でどのような変化があるのでしょうか。
スーパー耐久シリーズ2022の最終となった11月の鈴鹿での最終戦から約3か月、2023年2月23日に富士スピードウェイでスーパー耐久シリーズ2023の公式テストが行なわれました。
2022年シリーズは、TOYOTA GAZOO RacingとSUBARUが「いっしょにいいクルマつくろう!」というテーマに2021年4月に2代目へとフルモデルチェンジを遂げたGR86とSUBARU BRZをベースとしたマシンで参戦。
GR86は、「ORC ROOKIE Racing」から28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」として、SUBARU BRZは「Team SDA Engineering」から61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」という形でST-Qクラス(開発車両クラス)に挑みました。
2023年シリーズにおいても、同様のチームならびマシンで参戦することが明らかにされていますが、1年目の2022年から2年目の2023年となる中で2台に変化はあったのでしょうか。
2022年末には、両チームのキーマンとなる藤原裕也氏(GR86担当)と本井雅人氏(SUBARU BRZチーム監督)に2022シリーズを総括してもらいましたが、その際に2人共「まだやりたい事がたくさんあります!」と語っていましたが、2022年の経験・反省がどのように活かされているのでしょうか。
まずは、2022年の最終戦(鈴鹿)でGRカンパニー佐藤プレジデントが「骨格を変更します」と衝撃発言があったので、GR86がどのようなマシンになったのか興味津々でしたが、パッと見は2022年のマシンと変わっていないようです。現状について、開発責任者の藤原裕也氏に聞いてみました。
―― マシンは大きな変更がないように見えますが、2022年12月のタイでのレース以降、どのような事をしてきたのでしょうか。
藤原:2022シーズンを1年間走ってきた事の現状把握です。
2023年は将来に向けた骨格づくりをはじめる活動だと考えています。
そのためには、「現状から何を変える必要があるのか?」を見極める事が重要だと考えています。
―― 具体的にはどのような所ですか。
藤原:やはり手を入れている部分ですね。
2022年のアップデートが数値で表れている部分もありますが、ドライバーの評価と紐づいていない所も多いです。
例えば、リアのスタビライザーはエンジニアとしては「付いている状態がベスト」ですが、ドライバーは「外したほうがいい」と言う評価でした。
―― つまり、2023年は2022年のフィードバックを活かし、今後どのように新たな骨格づくり進めるかを判断するわけですね。
藤原:そうです。ただ、「変えるべきか?」、「留まるべき?」の判断は非常に難しいですね。
ただ、2022年は最終的な出口がない……いや出口を明確にしてなかったので、結果的に対処療法的になってしまった反省がありました。
2023年は「何を次に繋げる」と言う所まで判断しながら進めていくつもりです。
―― 今回、社員ドライバーとして佐々木栄輔氏と加藤恵三氏が加わっています。
藤原:2人はレース経験が少ないので、ジェントルマンがレースで乗っても安心・安全に戦えるクルマづくりと言う部分でも、多くのフィードバックを期待しています。
特に佐々木はGR86の量産開発に携わってきたドライバーなので変化点も見てほしいですね。
―― 今後はレースを走らせながら並行して将来に向けた骨格づくりも行なう事になると思いますが、この辺りはスバルとの協調はどうなるのでしょうか。
藤原:もちろん、スバルさんとも「一緒にやっていきしょう」と言う話はしています。
1年間やってきて分かったことは、「スバルさんに隠すことは何もない」と言うことです。
お互い手の内を明かすことで、イノベーションが生まれると思っています。
―― と言っても、負けたくはないですか。
藤原:もちろんです。
ただタイムだけでなく、乗りやすさや安心みたいな部分もシッカリと追いかけていきます。
最後はここでのフィードバックを量産車に盛り込み、お客さんに喜んでもらう事ですので。
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