2023年2月22日、ホンダと中国東風汽車の合弁会社「東風ホンダ」は、新型SUV「HR-V」を導入すると公表し、ティザー画像を公開しました。

　ティザー画像はとてもシンプルなもので、実際のボディラインを表しているかどうか不明ですが、「東風ホンダの新しいSUVファミリーとしてHR-Vが登場する」「1998年の登場から何世代にも渡る変化を遂げてきた」とメッセージが添えられています。

「HR-V」は、少し複雑な“名前事情”を持つSUVです。

　初代モデルは日本でも展開されており、3ドアモデルのSUVとして1998年に誕生しました。その後1999年に5ドアモデルが追加されましたが、いずれも全長4m前後に収まるコンパクトなSUVです。

　2006年に生産が終了すると日本では「HR-V」の名前はなくなりましたが、日本でも販売されているコンパクトSUV「ヴェゼル」の北米版として、2014年に「HR-V」の名前が用いられたほか、インドネシアなどでもヴェゼルの現地仕様車として「HR-V」として販売されています。

　しかし2022年6月には、日本や中国市場で「ZR-V」と称されるSUVが、北米市場で「HR-V」として登場しました。

　つまり現在では、ヴェゼルの国外版である「HR-V」とZR-Vの国外版である「HR-V」が同時に存在していることになります。

　さらに、中国市場におけるホンダは、東風汽車との合弁会社である「東風ホンダ」と、広州汽車との合弁会社である「広汽ホンダ」の2つの合弁会社を設立しています。

　広汽ホンダにはHR-Vという名前のクルマはなく、ヴェゼルはヴェゼルとして、ZR-VはZR-Vとして販売されています。

　一方で東風ホンダでは、ヴェゼルは「XR-V」として販売されておりZR-Vはラインナップされていません。

　このような複雑ともいえる背景がある中、東風ホンダは新型HR-Vを導入すると公表しています。

　なお、直近の2023年2月21日には、広汽ホンダから新型「ZR-V e：HEV」（ハイブリッド車）が発売されています。

　東風ホンダのHR-Vはこれに近しいモデルの可能性もあり、北米市場と同じく、ZR-VをHR-Vとして販売するものと予想されますが、詳細は公開されていません。

　今後の続報に注目が集まります。