タイヤ側面に謎の数字!? サイズ以外の超重要な表示「ロードインデックス」って一体なに?
タイヤの側面にはタイヤ幅、扁平率、インチの数字(サイズ)が刻まれていますが、そのほかにも重要な数字があります。それは「ロードインデックス」なのですが、一体どのようなことを意味するものなのでしょうか。
タイヤのとある性能を示す「ロードインデックス」とは?
クルマに装着されるタイヤは、走行時に路面と接する唯一の部品となり、非常に重要な役割を担っています。「走る・曲がる・止まる」といったクルマの基本性能に関わる部分だけに、その車種に適したサイズや空気圧が指定されています。
なかでもタイヤのサイズは、タイヤ幅、扁平率、インチによってさまざまなものがあり、たとえば「205/55R17 91V」という表示がタイヤ側面(サイドウォール)に刻まれています。
このタイヤの場合、「205」はタイヤ幅、「55」は偏平率、「R17」はインチを表しているのですが、その後ろの「91」という表示についてはあまり知られていないかもしれません。
これは「ロードインデックス」と呼ばれるもので、タイヤの隠れた性能指数ともいえる表示。タイヤサイズとともにサイドウォール部に明記されているほか、運転席ドアのステップ部には指定タイヤサイズとともに掲示されています。
ロードインデックスとは「タイヤ1本が支えられる最大負荷能力(kg)」で、ほとんどの乗用車はタイヤが4本装着されていることから、ロードインデックス×4本の数値が最大負荷能力(kg)ということになります。
前出の「205/55R17 91V」というタイヤのロードインデックスは「91」という数値になるのですが、指定空気圧によって最大負荷能力が決められており、指定空気圧が240kPaだった場合、最大負荷能力は「615kg」相当ということになります(JATMA規格の空気圧別荷重能力対応表より)。
さらに、このタイヤが4本装着されているクルマだと「615kg×4本=2460kg」が最大負荷能力に相当します。
ロードインデックスは、タイヤによって「80台」もあれば「100台」という数値も存在。数値が大きければ大きいほど最大負荷能力は高くなります。
しかし最大負荷能力には注意が必要です。2460kgの最大負荷能力のあるタイヤが装着されていて、車検証に記載されている「車両総重量」が同じく2460kgであれば問題ないと思う人がいるかもしれませんが、荷物などを載せるとタイヤが想定している重量を超えてしまいます。
筆者(藤本敬太)が以前ガソリンスタンドで勤務している時に、コンパクトカーの車検見積もりで来店したお客さまが、ロードインデックス「70」という数値のタイヤ(4本)をクルマに装着していました。
このコンパクトカーは車両総重量1500kgを遥かに超える車両重量だったので、お客さまにロードインデックスについて説明。「このタイヤの最大負荷能力は1本で335kgです。4本で1340kgしかなく大変危険です。すぐにタイヤ交換して下さい」といったところ、お客さまがとても驚いていたことを覚えています。
また、こういった場合は車検不適合となり、タイヤを交換する必要があります。
「205/55R17 91V」というタイヤサイズで、91の後ろの「V」というアルファベットは「スピードレンジ(速度記号)」を表しています。スピードレンジとは「タイヤの規定の最大負荷を運んで走れる最高速度域」のことです。
スピードレンジは最高速度が120km/hから300km/h超まで12段階で細かく数値が設定されており、Vは最高速度240km/hを表しています。
日本の高速道路は最高速度が120km/hなので、一般的なドライバーはタイヤのスピードレンジをそこまで気にすることはありません。
しかし、趣味でサーキット走行などする人は注意が必要で、スピードレンジが低すぎると高速走行中にタイヤ性能が追い付かずバーストする危険もあることから、高速走行に耐えられるスピードレンジのタイヤを選ぶと良いでしょう。
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新車の場合はそのクルマに適したタイヤが装着されていますが、中古車などを購入したクルマはタイヤが交換されていることがあります。
タイヤの残り溝を確認する人が多いと思いますが、今履いているタイヤのロードインデックス数値が、クルマに合っているかどうかも確認することオススメします。
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