なぜガソリン代はこんなに高い? 内訳別で見るとよく分かる「ガソリン代が高すぎるワケ」
最近では、ガソリンの高騰が続いています。そもそもなぜガソリン代はこんなに高いのでしょうか。
ガソリン代は内訳別で見ると「高すぎる」のがよく分かる…
最近ではガソリン代が高騰しており、ユーザーからはガソリン代の高さに悲鳴の声が相次いでいます。
では、そもそもなぜガソリン代は、高いのでしょうか。
2020年のレギュラーガソリンの価格は、全国平均で1リットルあたり120円から130円前後を推移していました。
しかし2021年に入ってから値上がりが始まり、2022年春頃には175円まで大幅に高騰しています。
これには、産油国による原油の生産調整などによる供給ひっ迫や、原油価格高騰などの影響のほか、2022年初めに円安が急激に進行したことなどが大きな要因といえます。
世界全体を通して価格高騰が著しいガソリンですが、ガソリン代の販売価格の内訳をみると、意外な事実が分かるのです。
実は日本では、ガソリンそのものの価格以外にも複数の税金が含まれています。
レギュラーガソリンの場合、具体的に「ガソリン税(本則:揮発油税+地方揮発油税)」「ガソリン税(暫定)」「石油石炭税」「温暖化対策税」「消費税」の5種類の税金がかかる仕組みとなっています。
消費税以外の金額は固定で、ガソリン税が53.8円(そのうち本則が28.7円、暫定が25.1円)、石油石炭税が2.04円、温暖化対策税が0.76円です。
たとえば、ガソリン価格が1リットルあたり160円で、30リットルほど給油した場合、合計金額は4800円となりますが、内訳別で見ると以下のようになります。
・ガソリン本体価格:2665.64円
・ガソリン税:1614円
・石油石炭税:61.2円
・温暖化対策税:22.8円
・消費税(10%):436.36円
上記を見ると、合計金額の約半分近くが税金であることが分かります。
なお消費税10%は、ガソリンそのものの価格だけでなく、ガソリン税などの税金も含めた額に課税されているため、税金に税金が課される「二重課税」の状態であるとの指摘もあります。
これについて国税庁では、「メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価額の一部を構成しているので、課税標準に含まれる」と説明しています。
つまり、ガソリン税は消費者ではなくメーカーなどが納税義務者となっていることから、ガソリン税も販売価格の一部として、消費税を課すということです。
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こうしたガソリン価格の高騰について、JAF(日本自動車連盟)は「当分の間税率の廃止」と「Tax on Taxの解消」を政府などに要望する声明を出しています。
「当分の間税率」とは、ガソリン税などに「当分の間」として上乗せされている特定税率の仕組みのことで、これに対しJAFは「論理的な説明もなく引き続き負担を強いられる自動車ユーザーとしては到底納得できるものではありません。このような『当分の間』の措置は直ちに廃止すべき」と訴えています。
またTax on Tax(二重課税)については、「『税に税がかけられる』という、極めて不可解な形になっています。自動車ユーザーが到底理解・納得することができない課税形態を早急に解消すべき」と強く主張しています。
今後の自動車産業の発展のためにも、税負担軽減など、マイカーを持ちやすい社会へと変革していくことが求められます。
軽油のレシートだろこれ!!