免許証裏側の「備考欄」“手書き”はアウト!? 該当する「重い罪」とは? 住所やメモ書き…「安易な書き込み」に注意!
免許証の裏側には「備考欄」という欄が設けられています。ではこの備考欄に手書きで文字を書き加えるのは問題ない行為なのでしょうか。
免許証の「備考欄」手書きで書き加えるとどうなる?
運転免許証(以下、免許証)の裏面には変更後の住所や氏名などを記載する備考欄があります。
では、この備考欄をメモや落書きなど、自由に記入してしまうのは問題ないのでしょうか。
免許証の裏面の備考欄には、引っ越しで住所が変更になったときや結婚で氏名が変わったなどの場合に新住所や新氏名が記載されるほか、「眼鏡等」といった免許の条件、大型自動二輪免許や普通自動二輪免許を取得した年月日などが記載されることもあります。
免許証の内容に変更がある場合、警察署や免許センターといった警察施設で届出をすれば備考欄に変更内容が記載されるとともに「○○県公安委員会」のように居住地を管轄する公安委員会の印鑑が押されます。
このように、通常免許証の備考欄への記載は警察施設でおこなわれますが、SNSをみると「新しい住所を自分で書き込んでいる人を見かけた」と、自身で手書きで備考欄に記入しているという声のほか、なかには「夫が免許証の備考欄をメモとして使っている」と、自由に記入できる欄として利用しているユーザーもいました。
また不動産業を営んでいる人からは、「身分証明書として免許証のコピーを取る際、備考欄に住所を手書きして提出する人もたまにいる」という声も聞かれ、免許証の備考欄を自分で書き込む人もいるようです。
では、もし自分でメモや住所などを備考欄に書き込んでしまった場合、何かの罪に問われることはあるのでしょうか。
結論からいうと、免許証の備考欄に自分で書き込みをおこない、利用する行為は有印公文書変造罪や有印公文書行使罪に当たる可能性があります。
免許証は各都道府県公安委員会が発行する公文書であり、自分で変更を加えてはいけないのです。
2021年には愛知県で、変更後の住所を自分で免許証の裏面に書き込み、身分証明書の書類として利用した男女5人を有印公文書変造・同行使罪で書類送検したというニュースが報じられています。
また過去の判例において、免許証の写真を貼り替えて生年月日を改ざんした場合に有印公文書偽造罪に当たるとしたケースもあります。
一般的に、免許証のような真正な文書の内容を改ざんすることを変造、免許証の写真を貼り替えるといった文書の本質的部分を改ざんすることを偽造といいます。
有印公文書偽造罪・変造罪は、1年以上10年以下の懲役が科される可能性のある重い罪です。
うっかり免許証を偽造するというケースはあまり考えられませんが、免許の備考欄に自分で新しい住所を書き込み、身分証明書として利用する有印公文書変造罪や行使罪については知らずにおこなってしまうケースがあるかもしれません。
法に触れる可能性があることを知り、安易な気持ちで書き込みをしないよう注意することが大切です。
では、もし自分で免許証の裏面にメモや住所を書き込んでしまった場合にはどのように対応すれば良いでしょうか。
その場合には警察署に届けて正直に事情を説明しましょう。
それぞれの事情によって対応は異なるかもしれませんが、悪用したなどの事情がなければ特段罰則を受けずに書き換えをしてもらえる可能性が高いといえます。
ただし、警察から厳重注意や事情聴取を受ける可能性があることは覚えておきましょう。
※ ※ ※
免許証の裏面にある備考欄には変更後の住所や氏名のほか、自動二輪免許の取得日などが記載されます。
知っている人も少ないかもしれませんが、免許証は公安委員会が発行する公文書であり、備考欄にメモを書いたり勝手に住所を書き加えたりすると有印公文書変造罪に問われる可能性があるため、備考欄には自分で書き込みをしないように注意しましょう。
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