クルマのナンバー「オシャ」なデコレーションが「違法」の可能性も!? 「絵柄」入りプレートとの決定的な違いとは
白、黄、緑など決まった色しかなかったナンバープレートですが、近年は絵柄入りのものも交付され華やかになりました。同様にプレートの周りを装飾するフレームなども出回っていますが、場合によっては違法となるケースもあるといいます。その違いについて解説します。
ナンバーの文字や数字が識別しづらくするデコレーションは「NG」!
近年、クルマのナンバープレートは絵柄の入ったご当地ナンバーなどのバリエーションが増えましたが、一方でナンバープレートには装飾用のカバーやフレームなども市販されており、自由にデコレーションをして良いと思われがちです。
しかし実際には、装着の基準化によりナンバー全体を覆うカバーは禁止となり、フレームについても基準非対応のものについては違反となります。具体的にどのような表示が義務付けられるようになったのでしょうか。
2016年4月1日以降、ナンバープレートの装着基準が明確化されたことを受け、表示については「カバー等で被覆すること」「シール等を取り付けること」「汚れた状態にすること」「回転させて表示すること」「折り返すこと」がすべて禁止となります。
ナンバープレートはすべての文字が判別できる必要があり、カバーはたとえ無色透明であってもつけてはいけません。カバー自体の傷や劣化、水滴の付着等で文字が見えにくくなったり、角度や光の反射で視認性が低下してしまったりするからです。
ナンバープレートを取り付ける位置、角度にも新しい基準が設けられ、以下の通り、細かく数値で規定されています。
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・ナンバープレートのすべての文字の識別に支障が生じない、見やすい位置に取り付けること
・前面のナンバープレートは上向き10度~下向き10度、左向き10度~左右向き0度とすること
・後面はナンバープレートの上端が1.2m以下の場合は上向き45度~下向き5度、上端が1.2m超の場合は上向き25度~下向き15度、いずれも左向き5度~左右向き0度とすること
・バイクのナンバープレートは上向き40度~下向き15度、左右向き0度とすること
・回転はさせず、水平に取り付けること
・フレームは幅が上部10mm以下、左右18.5mm以下、下部13.5mm以下とし、厚さは上部6mm以下(上部の幅が7mm以下の場合は10mm以下)その他30mm以下で脱落するおそれのないもの
・ボルトカバーは直径が28mm以下であって番号に被覆しないもの、厚さが9mm以下で脱落するおそれのないもの
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フレームに詳細な規定が加わっているほか、ボルトカバーにも注意が必要です。
ボルトカバーはプレートの盗難防止目的でつけることも多いパーツですが、上記の規定に従って取り付けるようにしましょう。
これらの規制が義務となったのは、ナンバープレートの視認性や認識性の確保をするためです。
道路運送車両法第4条により「自動車は登録を受けたものでなければ運行の用に供してはならない」とされています。
さらに11条の第1項では「登録を受けた自動車には国土交通大臣が通知する番号を記載したナンバープレートを取り付けなければならない」とされています。
ナンバープレートには「当該自動車についての所有権の公証」「当該自動車が新規登録時に保安基準に適合していることの証明」「行政による当該自動車の使用実態の把握」の機能があり、外見上でクルマを特定するための唯一の手段となります。
クルマにかかわる大事な情報が記載された識別票なので、周囲から目視で確認できるようにしておくことが重要です。
ナンバープレートは以前「番号を見やすいように表示しなければならない」とだけいわれており、具体的な規定はありませんでした。
しかし、縦や斜めに取り付けたり、折り曲げたりする車両が現れるようになり、カバーやフレームなど視認性を低下させる恐れのあるパーツが自動車専門店などでも販売されるようになりました。
これらは法律制定時に想定されていなかったものなので、視認性確保のために対策の検討がなされ、新たな規制が生まれることになったのです。
各地で広がるご当地ナンバープレートは、個人でおこなうデコレーションなどとは異なり、こうした各基準をクリアしたものであることはいうまでもありません。
ナンバープレートを適切に表示していないと、道路運送車両法上の「番号表示義務違反」となり、交通点数は2点減点、50万円以下の罰金が科せられます。
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ナンバープレートは、ご当地の図柄入りプレートが交付されるなど、以前よりオシャレに生まれ変わりつつありますが、その反面で自由にカスタマイズしてもいいものとも勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
知らず知らずのうちに違反をしていたということのないよう、規定をしっかりと確認し、ナンバープレートをきちんと取り付けるだけではなく、不適切なパーツをつけないようにしておくことが大切といえます。
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