中学生でプロのドリフトドライバー!? 横浜ゴムのサポートを受ける「箕輪大也」選手に独占インタビュー スーパー中学生はどのようにして誕生した?
小学5年生が駆るはMTのトヨタ「チェイサー」
そうして始まった英才教育でしたが、若年ゆえの壁もあったと大也くんはいいます。
「乗り始めて少ししてからドリフト定常円旋回を始めたんですが、ドリフトをやるとすぐに疲れてしまう感じでした。体力が無かったんです。
エビスサーキットにあるクルクルランドという練習コースには、ウエット路面をあえて作れる環境があって、その状態だとGがかからず体力的にもラクになり、ドリフトも上達してきました」(大也くん)
やがて2020年8月、小学5年生にしてMT車に乗りはじめます。
「はじめは発進も難しかったし、スピンするとエンストしてしまうところが難しかったですけれど、それも次第に乗れるようになりました」(大也くん)
「初めて乗らせたMT車はフルノーマルのJZX100『チェイサー』でした。売り物にしようかとたまたま仕入れたクルマがあったんですよ。これならクラッチも多少は軽いし踏めるかなってエビスに持って行ったのが始まりですね。商品車になるクルマだから妻から止められるかと思いきや、妻が『これならちょうどいいんじゃない?』って。イケイケの妻で良かったですよ(笑)」(慎治さん)
自宅リビングにはシミュレーターが2台設置されており、ここで母と子の追走(先行車と追走車の2台でドリフト走行する、FDJ決勝などで見られる競技形式)トレーニングが行われているというから驚くばかりです。お母さんの昌世さんは、大会の時にスポッター(ドライバーにレース状況を伝えるなどサポート役をつとめる人のこと)をこなすこともあるのだそう。
それにしても、初めて乗ったチェイサーの価格は、現在の相場で考えればおよそ300万円也。小学5年生にそれを託すのは凄いとしかいえません。
「シミュレーターを始めたのはMTに乗り始めた直後ですね。はじめはスピード感やGを感じることができないので戸惑いましたが、やっていくうちにそれも慣れてきました。普段行くことの無いコースを覚えるのに役立つし、ギアを切り替えるタイミングや追走の練習に役立ちました。母が練習相手になってくれて助かりましたね」(大也くん)
「シミュレーターではギア比もいじれるので、次に行くコースでは4速進入のパターンと5速進入のパターンを練習しといてと指示したりできたことがメリットですね。実車とシミュレーターの合わせ技が良かったのか、クラッシュをすることもなく順調に成長することができました」(慎治さん)
近年ではシミュレーターで運転を学んで実車に移行し、輝かしい戦績を残している若手レーシングドライバーもいますが、大也くんの場合は実車が先という昔ながらのスタイルです。幼い頃からクルマの動きを体に染み込ませてきたこともまた、ドリフトドライバーとしては良かったのかもしれません。
ここまで特殊な才能の持ち主である大也くんですが、一方で中学校ではあくまでフツーの生徒のようです。
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