地域活性化に繋がる「ラリーの魅力」 トヨタ「ラリーチャレンジ」は地元の情熱で支えられていた?
ラリー競技の裾を広げる「TOYOTA GAZOORacing Rally Challenge」ですが、地元の協力無しでは開催出来ないといいます。実際にどのような形で地元が協力しているのでしょうか。
地元の情熱がラリーを支えている? ラリチャレ八ヶ岳茅野とは
2023年4月16日に開催される「TOYOTA GAZOORacing Rally Challenge in 八ヶ岳茅野」。
ラリー競技の裾を広げるラリーチャレンジですが、地元の協力無しでは開催出来ないといいます。実際にどのような形で地元が協力しているのでしょうか。
サーキットを走るレースと異なるラリーは、未舗装路、砂利道、アスファルト路など様々な路面を走るだけでなく、クルマを運転するドライバーと助手席で道案内をするコ・ドライバーの連携が重要となるモータースポーツです。
主なラリーのカテゴリとしては、世界最高峰の「FIA世界ラリー選手権(WRC)」、世界各地で開催される「FIA地域選手権」が存在。
日本では最高峰の「全日本ラリー選手権(JRC)」や「地方選手権」などがあります。
そうした中でラリーチャレンジは、初心者などが参加しやすいラリーとして、前身の「TRD Vitz Challenge」の開始から20年以上の歴史を持つビギナー向けのラリー競技です。
参加者の約半数がラリー初心者というもので、初心者にも優しいコース設定となっているため、安全かつ手軽にエントリーできるのが特徴となっています。
参加出来るカテゴリはいくつか設定されており、参加者のスキルによって分かれる他、クルマによっても異なり、ヴィッツ、ヤリス、GRヤリス、86/GR86だけでなく、AT車も参加可能です。
今回の開催地となる八ヶ岳は、2018年から長野県茅野市が開催する大会となります。
メイン会場となる茅野市運動公園を中心に長野県と山梨県にまたがる八ヶ岳周辺の道路を舞台に競われています。
大会自体は、地元となる茅野市や茅野商工会議所などが主催となり運営しています。
そうしたことから、本番となる4月16日の前日には大会関係者やチーム関係者、地元の関連企業・団体などが集った前夜祭が行われました。
前夜祭では、茅野市市長の今井敦氏や茅野商工会議所会頭の金子好政氏、そしてトヨタの佐藤恒治氏が登壇。
冒頭挨拶で今井市長は、次のように述べていました。
「ラリチャレ八ヶ岳茅野は、トヨタ自動車様、そして地元の茅野商工会議所、蓼科観光協会など本当にたくさんの皆さまの協力で開催出来ました。
この大会は、毎年毎年みんなで会議をして『今年の大会を良くしよう』ということでやってきたんですが、直近3年間はコロナ禍ということで、会議だけをずーっとやってきて、いよいよ開催っということになります。
2022年大会は、無観客のクローズドの形で出来ましたが、観客もいて万全のフルスペックでの開催というのは本当に3年ぶりとなり、3年間の我々の思いが集まった大会となります。
参加される皆さんの笑顔がいっぱい、茅野中が笑顔でいっぱい、そんな大会になると良いなと思っております」
また金子会頭は、次のように話しています。
「この3年はコロナ禍ということもあり中々フルスペックで開催が出来ませんでした。
そうした中で商工会議所では『2023年は出来るだろう』という予想のもとで、茅野市運動公園内の道路舗装の補修を210社の協賛を頂いて出来ました。
またイベント全体でも私達の地元として盛り上げられるように協力させて頂きたいと思っております」
そして、2023年4月1日からトヨタの新社長となった佐藤恒治氏は、ラリーチャレンジ八ヶ岳茅野の開催に関して、次のように話しています。
「今回ラリーチャレンジ八ヶ岳茅野が、4年ぶりにリアルで開催することができて、本当に嬉しく思っております。
私自身、ここのラリーチャレンジはTOYOTA GAZOORacingのプレジデントとして2020年から携わっています。
その2020年にはご存じのようにコロナが猛威を振るっており『ラリーチャレンジ八ヶ岳茅野の開催を断念しなければいけない』という私にとって八ヶ岳茅野の最初は、涙ながらに『開催を断念する』っということを茅野の皆さんにお伝えすることから始まりました。
『翌年こそは!』と思いながらも2021年も断念、2022年はやっと競技だけは復活というふうになりました。
そして、2023年はフルにもう一度『ラリーチャレンジ八ヶ岳茅野を取り戻すという1年を迎えることができました。
開催出来るのは本当に関係するの皆さんの情熱のおかげだと思います。
現在、モーターポーツは色々な盛り上がりを見せています。特にラリーは地域の人達との連携が無いと実現出来ないモータースポーツだと思います」
なお佐藤社長の挨拶中には、同時期に開催されている「全日本ラリー選手権第3戦ツール・ド・九州2023 in 唐津」でデモランを披露したTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラ氏がオンラインで登場。
ラトバラ氏は「ラリーチャレンジ八ヶ岳茅野を楽しんで、充実した1日を過ごしてください。だけども『安全に!』を忘れずにお願いします」とコメントし、長野と佐賀を繋いだサプライズも実現しました。
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ラリー競技は、競技区間(SS)の合間に公道を走行することから、開催される地元全体がお祭り騒ぎになります。
こうしたこともあり、ラリーイベントが開催されることで観光面や地域連携によって地元全体が活性化するというメリットが挙げられますが、今回の茅野市でも地元の情熱がイベントの盛り上げに貢献していました。