トヨタが新たな「クラウンSUV」を公開!? 謎の「クラウン顔」現る! SNS投稿された15代目仕様、中国で目撃されたワケ

なぜ15代目クラウン顔SUVがSNSに投稿されたのか?

 また、クラウンクルーガーに限った話でいえば、15代目クラウンが持つ顔のほうが「よりクラウンらしい」という考えもあるのかもしれません。

 先ほど、中国ではセダンタイプのクラウンが2020年4月に販売を終えたと紹介しましたが、実は中国における最後のセダン型クラウンは14代目クラウンでした。

 日本では2018年に15代目へ移行しましたが、その後も中国では14代目クラウンが販売され続け、最後の最後まで15代目クラウンは中国に投入されていません。

 そして、1年越しに復活した「クラウン」を冠する「クラウンクルーガー」も、実際にはアメリカ向けハイランダーにおけるスポーツ顔のトヨタエンブレムを「王冠」エンブレムに変えただけのもので、「クラウンらしさ」はあまり感じられませんでした。

 そのような事情もあり、「クラウンらしい顔」、そして「最後まで中国には来なかった15代目クラウン」の両方を追い求める声が「クラウンクルーガー用15代目クラウン顔キット」という商品を生み出したのでしょう。

トヨタの中国での合弁会社「一汽トヨタ」がSNS「ウェイボー(微博)」へ投稿した動画に15代目クラウン顔のSUVが映されている…なぜ?(画像:一汽トヨタのウェイボーより)
トヨタの中国での合弁会社「一汽トヨタ」がSNS「ウェイボー(微博)」へ投稿した動画に15代目クラウン顔のSUVが映されている…なぜ?(画像:一汽トヨタのウェイボーより)

 それは先述の「ランドクルーザー顔キット」も同じ事情であると予想できます。

 ランドクルーザーは中国でも大人気の車種ですが、2021年より販売されている「300系」は中国で販売されていません。

 少しでも最新のランドクルーザーに近づきたいという思惑が、ランドクルーザー顔キットに繋がったのではないかと考えられます。

 一汽トヨタが用意した公式映像に、このような非公式キットを装着させた個体を登場させるのは正直いかがなものかと思います。

 ですが、きっと何らかの理由で自前での用意が困難で、急遽ユーザーから借りることになったのかもしれません。

 15代目クラウンの顔を持つクラウンクルーガーが公式で販売されることはほぼ無いといっても問題ないでしょうが、このような商品が人気という点には中国らしい一面さえも感じます。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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