新型「5ドアジムニー」とは違う存在感! レトロ顔「3ドアジムニー」が凄い! カスタム市場の最新トレンド

2023年1月13日から15日に開催された東京オートサロン2023。多くのカスタムカーが登場したなかでスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」をベースにしたモデルも多くありました。

オートサロン前日に「ジムニー5ドア」出たが…会場では3ドア祭りだった!?

 2018年に4代目へとフルモデルチェンジを果たしたスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」。
 
 ノーマル仕様で乗るだけではなく、カスタムベースとしても高い人気を誇りますが、そうしたなかで最近ではどのようなトレンドがあるのでしょうか。

こりゃイイね! ネオクラカスタムが多かった東京オートサロン2023のジムニー(写真:山岡和正)
こりゃイイね! ネオクラカスタムが多かった東京オートサロン2023のジムニー(写真:山岡和正)

 カスタム業界全体を見回すと、ビルダーにとって注目すべき商材となっているのがジムニー/ジムニーシエラです。

 相変わらず7か月以上の長納期が続いている人気モデルですが、発売から4年以上が経過してかなりの台数が出回ったこともあり、カスタム需要が前よりも高まっています。

 これまでの歴代ジムニーのカスタムといえば、かつてはいわゆるジムニー専門店でおこない、オフロード性能をアップさせるような改造が主体でした。

 しかし現行ジムニーにスイッチしてから、ユーザー層もマニアからライトユーザーに変化。

 女性ユーザーの参入も多くなったため、これまでジムニーを手がけてこなかったエアロメーカーなども専用パーツをリリースするようになりました。

 現行ジムニーのカスタムパーツは、スクエアなフォルムからメルセデス・ベンツ「Gクラス」のような見た目に変えるものや、初代ジムニーの雰囲気を再現するパーツ、そして先代のJB23/43型から踏襲したエクステリアパーツなどが、車両発売直後から市場に出回りました。

 なかでもGクラスルックにするパーツは、Gクラスユーザーや東南アジア市場で大ヒットとなり、ショップによっては納品まで1年となるケースもあったようです。

 昨今は女性ユーザーやライトユーザーを意識したカスタムが流行しており、リフトアップもコイルスプリングのみを変えて1インチほど車高を上げるチョイ上げやパステルカラーのボディやホイールにするのもトレンドとなっています。

 ますまず熱を帯びるジムニーカスタムのなかで、東京オートサロン2023でどんなニュースタイルが出るのか注目が集まっていました。

 2023年はさらにクラシカルなテイストが強まり、2代目ジムニーからカスタム業界が培ってきた手法と、名車の意匠をモチーフにしたデザインが融合することで、完成度の高いカスタムジムニーが揃いました。

 あるビルダーは、今年の傾向について次のよう語ります。

「そもそもジムニーカスタムの業界は、他社のヒット商品を模倣する傾向にありました。

 そのためブランドは違っても、どこか似てしまうことが多かったのです。

 現行ジムニーが発売されてから時間が経つこともあり、さらに新規参入メーカ?が増えて、各社とも個性的な商品を造ることを目指すようになっています。

 そのなかで、そもそもジムニーとマッチングのいいネオクラシックデザインの方向に向かっているのだと思います。

 とくに“名車”のデザインを再現するパーツは、アジアを中心とする海外市場で人気で、ヒットするとビッグビジネスになる可能性を秘めていますから」

※ ※ ※

 例えば、「Little.G」が大ヒットとなっているDAMDは、それをベースにしながら、さらにメルセデス・ベンツ「ゲレンデヴァーゲン」に近づけるような新パーツでカスタムを強化。サンドカラーに塗られたジムニーは、もはや“ゲレG”にしか見えません。

 さらに2023年は、初代のフォード「ブロンコ」や2代目ジムニー(SJ30型)からインスパイアされたと思われる外装パーツも多く見られました。

 加えて、1980年から1990年代にかけて流行したトライアル用バンパーも復活傾向にあり、若年層ユーザーには新鮮なインパクトを、中高年層にはノスタルジーを与えています。

 国内でも、関東、関西など地域によってカスタムの嗜好性は異なりますが、3代目ジムニーよりもオフロード走行をするコアなユーザーが減っていることもあり、ネオクラカスタムはまさに時代の気持ちにフィットしているのかもしれません。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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