過信しないで! 雪で車の「緊急ブレーキ」効かない? たったの“時速30キロ”でも衝突! JAFがSNSで注意を呼びかけ

JAF(日本自動車連盟)は公式ツイッターで、圧雪路とアイスバーンの路面では衝突被害軽減ブレーキが十分に働かないことに関して投稿し、注意を呼びかけています。

滑りやすい路面は「衝突被害軽減ブレーキ」も効果なし?

 JAF(日本自動車連盟)の公式ツイッターは、圧雪路やアイスバーン路面を走行時、衝突被害軽減ブレーキ機能(緊急ブレーキ)についての注意喚起を2023年1月5日に投稿しています。
 

衝突被害軽減ブレーキのイメージ(画像はトヨタの「プリクラッシュセーフティ」)
衝突被害軽減ブレーキのイメージ(画像はトヨタの「プリクラッシュセーフティ」)

 衝突被害軽減ブレーキは、クルマに取り付けられたレーダーやレーザー、カメラによって前方の障害物を検知し、衝突のおそれがあるとシステムが判断した際に、自動でブレーキ操作がおこなわれ、衝突を避けたり、万が一の衝突時に被害を軽減する先進運転支援システムです。

 かつては上級モデルにオプション設定されることも多かった装備ですが、現在ではエントリークラスの軽自動車をはじめ、国産の新型車では2021年11月より装着が義務付けられています。

 今回JAFの公式ツイッターでは以下のような注意喚起を投稿しています。

「衝突被害軽減ブレーキを搭載してても要注意
圧雪路・氷盤路にて衝突被害軽減ブレーキが作動し衝突を回避できるか検証 結果、わずか時速30kmで走行しても回避できませんでした
雪道では先進安全機能に頼り過ぎず安全な速度と車間距離をとった運転を」

 この投稿に加えて、JAFが過去におこなったテストの様子を掲載しています。
 
 テストでは、新品スタッドレスタイヤを装着した衝突被害軽減ブレーキ装着車を圧雪路(雪が踏み固められた路面)と氷盤路(アイスバーン)をそれぞれ時速10km/h、時速30km/hで3回ずつ走行させて、衝突を回避できるかを検証。

 結果、唯一停止できたのは圧雪路を時速10km/hで走行した場合のみで、それ以外の条件ではいずれも障害物への衝突は免れないことがわかりました。

 特に、アイスバーンでは時速10km/hでも停止することができなかったほか、時速30km/hで走行した場合は障害物を22mも引きずる結果となりました。

 このように、新品スタッドレスタイヤを履いた状態でも回避できないことから、JAFは滑りやすい路面の場合、衝突被害軽減ブレーキの過信は禁物であるという結論を出しています。

 滑りやすい路面では、衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備が十分に動作しないかもしれないと想定し、車間距離を空けて速度を出さずに運転しましょう。

※ ※ ※

 衝突被害軽減ブレーキは万が一の際に乗員への被害を減少する効果が期待できる機能ですが、雪道や雨天時など滑りやすい路面ではその機能を発揮できないことから、装備に頼り切った運転は禁物です。

 これはほかの運転支援機能にも同じことがいえ、どのような先進機能であってもドライバーを「サポート」する機能に過ぎず、基本的にはドライバー自身の手で運転しなければなりません。

 安全運転への責任はハンドルを握るドライバー自身が負うものであることを念頭に置いて運転しましょう。

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1件のコメント

  1. 圧雪でも車間距離を取らずにべったりくっついて来る後続車が居るけど、制動距離が何倍も必要なことを理解できないのだろうか。
    ABSで必要以上に距離が伸びているのだから、乾燥路面を想定した安全装置など積雪路面では全く意味がない。

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