トヨタが進化版「カローラクロス」を欧州で初公開! 斬新「水素エンジン」実験車 実用化に向け着々とテスト中
トヨタは2022年12月5日、カーボンニュートラルに向けたゼロエミッションへの取り組みの一環として、水素エンジン搭載の「カローラクロス H2コンセプト」の概要を欧州で公開しました。
「水素エンジン車」市販化に向けた現在進捗は「40%」
トヨタの欧州法人は2022年12月5日、同社の将来ビジョン発表の場で、遅くとも2040年までカーボンニュートラル達成させると宣言し、実現に向けた車種ラインナップなどの取り組みについて明らかにしました。
発表のなかでトヨタは、そのアプローチの一例として水素燃焼技術を搭載した「カローラクロス H2コンセプト」の概要について公開しました。
世界の自動車メーカーがカーボンニュートラルに向け、ゼロエミッション(排出物ゼロ)化の取り組みをおこなうなか、トヨタではBEV(電気自動車)化だけで考えるのは時期尚早であるとし、FCV(水素燃料電池車)や、水素燃料技術といったアプローチもバッテリー技術と並行して開発をおこなっています。
そのなかで、日本のモータースポーツ活動において、スーパー耐久レース全戦で水素燃焼エンジン(以下「水素エンジン」)を搭載した「GRカローラ H2」で参戦し、開発と技術の進歩を加速させ続けています。
さらに欧州においても、ベルギーで開催されたWRC(世界ラリー選手権)では「GRヤリス H2」のデモ走行をおこなうなど、その活動を世界に伝えてきました。
トヨタでは水素エンジンの主なメリットについて、既存の内燃エンジン技術を活用できる点や、燃料補給時間が短い点、バッテリー技術に欠かせないレアメタルの使用が減少できる点などを挙げています。
こうした技術の集大成として誕生したのが、カローラクロス H2 コンセプトです。
市販されるコンパクトSUV「カローラクロス」をベースにつくられたプロトタイプのロードカーで、実用化に向けた開発がおこなわれています。
GRカローラに搭載される1.6リッター 直列3気筒ターボエンジンに、モータースポーツ活動で培った高圧水素直噴エンジン技術を搭載。
FCV「MIRAI(ミライ)」の水素タンク搭載のノウハウを加えることで、5人の乗員と荷物を搭載できるパッケージングを完成させたといいます。
トヨタによると、カローラクロス H2 コンセプトの商品化に向けた進捗は約40%だと説明し、実際の市販モデル向けに熟成されるかはまだ未定だとしながらも、今後もモータースポーツでの活躍を通じて水素エンジン技術開発が進む予定だとしています。
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