災害時にはハイブリッド車が役立つ? 国土交通省が実証した結果は? 避難所等に給電する課題とは
今後の課題も判明し、実になった実証訓練
このように、実際の災害時でも活用できそうな給電方法が明らかとなった一方で、担当者は「今後クリアするべき課題も見えてきた」といいます。
「ローテーション方式は効率的に給電できますが、バッテリーに蓄電する際にエンジンを稼働させるとガソリンを消費することになってしまうため、今後はガソリンをどのように供給し続けるのかということが課題となりそうです」(総務部防災危機管理課の担当者)
また、クルマを活用するということは、クルマを運転する人やバッテリー残量を確認する人など、多くの人員も必要になります。
さらに被災地への移動は、路面の状況が劣悪である可能性も高く、運転する人にはそれなりのリスクがともないます。
前出の担当者はこのことについて次のように話します。
「クルマの移動については、クルマの保管場所から避難所まで、提携事業者さまの協力も必要になります。
二次災害の危険性も残るなかで、提携事業者さまに運転していただくとなると、道中の事故なども考えられるため、車両は必要ですが、なかなか協力を要請するのも難しいのが実情です。
今後は、避難所へ安全に車両を移動してもらうための方法やルート、当日の避難所との連絡のやり取りの仕方なども含めて、検討していかなくてはいけません」
また、避難所として活用される体育館はかなり広いため、非常に長い給電コードを確保しなくてはいけないなど、クルマとは直接的にかかわらない課題もみえたようです。
災害が発生しないことが第一ですが、今後しっかりと対策を講じておくことで、万が一の際に被災者が快適に過ごせるようになることが望まれています。
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なお、今回はコロナウイルスの蔓延防止対策を考慮して、体育館内で8つの送風機に給電をおこなうという検証もおこなってみたそうです。
担当者によると「送風機を8つ活用することで、コロナウイルスの感染症を防げるレベルの換気がおこなえることがわかった」といいます。
ただ、避難所では、もちろん送風機以外の機器にも電力を供給する必要があり、どの機器に優先的に給電するのか、担当者は、「今後はそうしたことに関しても視野を広げて検討していく」としています。
> ハイブランド車に限定したのにも理由があるそうで、
後の文脈から考えると、“ハイブリッド車に限定”の誤変換では?
正確には、バッテリー残量が無くなったら給電できないBEVではなくという主旨なので、プラグイン・ハイブリッド車とすべきかと。
普通のハイブリッド車でも1500W ACの給電位はできますが、エンジンがほぼ回りっ放しになります。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。