2022年11月17日、ドイツの高級自動車メーカー「ポルシェ」は、2022年11月18日にも一般公開されるロサンゼルス オートショーにて、新型「911 ダカール」を世界初公開しました。

　高速道路と同じようにオフロードでも快適に素早く走行できるとのことですが、どのようなクルマなのでしょうか。

　ポルシェはもともと、スポーツカー専売のメーカーでしたが、2002年にSUVの「カイエン」がデビューし、7年後の2009年にはセダンの「パナメーラ」が登場するなど、現在ではさまざまなボディタイプのクルマを販売しています。

　そんななかでも、911はいまだポルシェを代表するスポーツクーペで、現行型は2018年に登場した8代目モデルとなる992型です。

　今回、ロサンゼルス オートショーで世界初公開された新型「911 ダカール」は、前述の8代目911をベースに車高を上げるなど走破性能を高めた、同社初の卓越したオフロード性能を備えた2ドアスポーツモデルです。

　モデル名にある“ダカール”とは、1984年、ポルシェが初めて全輪駆動システムを搭載したポルシェ911をベースにしたラリーカーで、パリ・ダカールラリーで初総合優勝を果たした歴史にちなんでいます。

　そのエクステリアは、通常の911に比べ、かなりタフなスタイルです。前後左右のバンパー下部やフェンダーに樹脂製のパーツやスキッドプレートも取り付けられ、SUVのような力強い印象を高めているほか、新開発のCFRP製固定式軽量リアスポイラーや、本格的なスポーツグレードである911 GT3から採用された印象的なエアアウトレットを備えたフロントラゲッジコンパートメントリッドが装備され、オフロードを高速で駆け抜けるスポーツカーであることを示します。

　足元には、クラシカルなデザインの5本スポークホイールが採用され、特別に開発されたというピレリ社製オールテレーンタイヤ(フロント：245/45 ZR 19 リア：295/40 ZR 20)が組み合わされます。

　オプションで、ルーフテントもしくはライトを備えた専用のルーフラックを選択することも可能です。このラックは42kgの荷物が積載可能で、燃料や水筒、折りたたみ式シャベル、トラクションボードなどのラリー用の道具を問題なく収納することができます。

　インテリアには、フルバケットシートを標準装備としているほか、リアシートが省略されており、スパルタンな印象になっています。オプションでロールケージや6点式シートベルト、消火器などを備えたラリースポーツパッケージも選択可能です。

　パワートレインには、最高出力480馬力・最大トルク570Nmを発揮する3リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンを採用。0−100km／h加速は3.4秒で、オールテレーンタイヤ装備のため、最高速度は240km/hに制限されています。

　新型911ダカールは通常の911よりも50mm最低地上高が高められ、さらに標準装備のリフトアップシステムにより、フロントエンドとリアエンドをさらに30ミリ持ち上げることができます。その地上高とアングルは、従来のSUVに匹敵するものです。

　最も車高を高めた状態では、170km／ｈまでの走行しか出来ず、それ以上の速度では、自動的に通常の車高まで下がります。

　また、軽量ガラスと軽量バッテリーの採用により、車重はわずか1605kgに抑えられ、911カレラ4 GTSと比較しても＋10kg程度に抑えられています。

※　※　※

　新型911 ダカールには、1984年のパリ・ダカールで優勝したラリーカーを踏襲するスタイリングのラリーデザインパッケージも設定されています。外装色を当時のラリーカー風のホワイトとゲンチアンブルーメタリックのツートンカラーにできるほか、サイドのゼッケンナンバーを0から999までの番号から選択できます。またインテリアでも、シャークブルーのシートベルトとアクセントが追加されるなど、外装に合わせて、カスタマイズされます。

　さらに新型911 ダカールを購入したユーザー限定で、ポルシェデザインクロノグラフ1-911ダカール、またはクロノグラフ1-911ダカールラリーデザインエディションを特別に注文することが可能です。

　新型911 ダカールの価格についてリリース内では公表されていませんが、一部メディアにて22万ドル（約3061万円）を超える金額だと記載されており、生産は2500台限定となるようです。