「不正改造車かも?」簡単に排除する方法! 自分が該当するケースも!? やってしまいがちな改造とは

どんなカスタムが「不正改造」になる?

 では具体的にどういった改造が不正なケースとなるのでしょうか。ここでは大きく分けて4つの不正改造のケースについて見ていきます。

あなたは「不正改造」に該当してない? 画像:国土交通省
あなたは「不正改造」に該当してない? 画像:国土交通省

 まず1つ目として「車両のライト類の色を変える」ことが挙げられます。

 車両のライトの色は、他のドライバーや歩行者に誤解を与えて交通の危険をおよぼすおそれがないよう、道路運送車両法の保安基準で細かく指定されています。

 たとえば車幅灯(一般的にはポジションランプ・スモールランプとも)というライトは、方向指示器と一体になっているケースや一部の古い年式のクルマなどを除き、原則白色でなければいけません。

 同様にナンバー灯は白色、テールランプやブレーキランプは赤色、方向指示器は橙色などと細かく決まっています。

 2つ目のケースに「車両の前面ガラス、運転席および助手席の窓ガラスに可視光線透過率70%未満の着色フィルムを貼り付ける」という行為です。

 可視光線透過率は光を通す割合のことですが、透過率が低くなればなるほど着色フィルムの色が暗くなっていきます。

 車両の前面や運転席、助手席側の窓ガラスに可視光線透過率70%未満の着色フィルムを貼ると、周囲の交通状況を確認しにくく危険であるため禁止されています。

 クルマの中を覗かれないように着色フィルムを貼り付ける人もいますが、今一度基準を満たしたフィルムであるのか確認しておきましょう。

 3つ目は「タイヤやホイールを車体からはみ出した状態で取り付ける」という改造です。

 たまに見かける、タイヤを斜めに取り付けているクルマなどは違法な改造に該当する可能性があります。

 タイヤやホイールを車体からはみ出して取り付けると、周囲の歩行者などに当たってしまうおそれがあるほか、タイヤが車両の部品に接触して破損する危険性もあるため注意が必要です。

 4つ目は「基準に適合しないマフラーを装着したりマフラー自体を取り外したりする行為」が挙げられます。

 マフラーは消音器とも呼ばれ、自動車の排気音を低減する役割を担っているため、基準に適合しないマフラーの装着やマフラーの取り外しは騒音の原因となることがあります。

 マフラーから出る音の大きさについては車種ごとに一定の上限が決められており、2018年11月に国土交通省がおこなったマフラーの騒音規制に関する改正では、車両の後部にエンジンがある乗用車ならば95デシベルまで、それ以外の乗用車であれば91デシベルまでと騒音値が規定されています。

 それと同時に、純正品以外のマフラーを取り付ける場合には、車検証に記載されている近接排気騒音値に5デシベルを足した値以下にしなければいけないとも規定されています。

 つまり、車検証に近接排気騒音値が91デシベルと記載されていれば、騒音値を96デシベル以下に抑える必要があります。

 車種や車両の製造年月日などによって騒音値の上限は異なるため、マフラーを交換する際には規定の騒音値をよく確認したうえ、排気音が周囲の人々にとって迷惑にならないようなマフラーを選ぶようにしましょう。

※ ※ ※

 車両のライトの色やタイヤの装着方法などによっては不正改造と判断されることがあります。

 クルマのカスタムを行う場合は法律で定められた範囲内で行うほか、信頼できる業者などに施工を依頼することを検討しましょう。

【画像】「ちょっとした改造」が不正改造にあたることも!? チェックリストで確認する(10枚)

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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