給油キャップから「プシュー音」 一体なぜ? ひねると鳴る音の「正体」 止まるまで待った方がいい?

自身で給油する際、給油キャップを開けると「プシュー」と音がすることがあります。これは何か異常ではないのでしょうか。

給油口ひねると「プシュー」 音の正体は?

 ガソリンスタンドで給油する時など、給油口キャップを開けると「プシュー」と音がすることがあります。これは何か異常でしょうか。

給油キャップひねったときの「プシュー音」の正体(画像はイメージ)
給油キャップひねったときの「プシュー音」の正体(画像はイメージ)

 ガソリンスタンドではフルサービス式とセルフ式がありますが、なかでもセルフ式は24時間営業が多いことから利用しているという人も多いかもしれません。

 セルフ式では自身で給油の作業をおこないますが、給油口のキャップを開けた際に「プシュー」と音がすることがあります。

 これは、不具合による異音ではなく、ガソリンの性質が関係しています。

 クルマの燃料となるガソリンはー40℃でも気化する液体で、クルマのガソリンタンク内で蒸気を発生させています。

 つまり給油口のキャップを開けた際に出る「プシュー」は、タンク内に留まっていたガソリンの蒸気が抜けていく音というわけです。

 ガソリンのプシュー音について、都内ガソリンスタンドスタッフは以下のように話します。

「プシューと音がして驚く人もいますが、気化したガソリンが抜けていく音なので不具合があるわけではなく、特段問題ありません。

 給油キャップを開けた時の音は、とくに熱のこもりやすい夏場に多く発生しやすいです。

 ただ静電気には十分な注意が必要です」

「プシュー」という音とともに吐き出されているガソリンの蒸気は、可燃性のガスです。

 このため、ここにわずかな静電気の火花が触れただけでも、引火して火災が発生する危険性があります。

 東京消防庁は、セルフ式ガソリンスタンドで給油口のキャップを開けた時に静電気が発生して火災となる事故が複数発生していると、注意喚起しています。

 給油キャップの取り扱いについて、クルマの取扱説明書にも注意書きがあり、例えばトヨタ「アクア」は「キャップをゆるめたときに、“シュー”という音がする場合は、その音が止まるまでキャップを保持してください」と記載されています。

 これは、音がしている時に勢いよくキャップを開けてしまうと、気温が高いときなどに給油口から燃料が噴き出るおそれがあることが理由に挙げられます。

 このように、さまざまな危険性があることから、セルフ式ガソリンスタンドで自分が給油作業をおこなう場合は、必ず事前に静電気を除去してから取り掛かることが大切です。

 前出のガソリンスタンドスタッフは、給油時の注意点について以下のように話します。

「キャップを開けてから静電気除去シートを触るなど勘違いしている人が結構いますが、必ず給油キャップを開ける前に除去シートを触ってから給油をおこなうようにしましょう」

 また、噴き出したガソリンの蒸気には有害物質が含まれている可能性もあるため、キャップを開ける際は吐き出されるガスを吸い込まないようにしましょう。

※ ※ ※

 給油口のキャップを開けた時にする「プシュー」という音は、ガソリンタンク内に溜まっていたガソリンの蒸気が吐き出される音です。通常の操作で発生する音であり、問題はありません。

 しかし、吐き出されるのは可燃性の高いガスであるため、事前に静電気除去シートに触れるなどして火災が発生しないよう注意することが必要です。

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