トラックわらわら「産業道路」って一体どんな道? 片側1車線の例も!? 全国で「種類」「規模」も不ぞろいだった

全国には「産業道路」と呼ばれる路線が数多くみられます。産業道路とは一体どんな道のことなのでしょうか。

自動車専用道から市道まで…種類もまちまちな「産業道路」の謎

 工業地帯や物流倉庫などが集中し、大型車が行き交うエリアで良く聞かれる道路名が「産業道路」です。全国に点在し、各都道府県道の通称名が主流となっていますが、国道や市道などを指す例もあり、定義もまちまちのようです。
 
 産業道路とは一体どのような道を指すのか、その謎について紹介します。

大型トラックが行き交う「産業道路」は全国各地に存在しています(画像はイメージです)
大型トラックが行き交う「産業道路」は全国各地に存在しています(画像はイメージです)

 国土交通省のWEBサイトなどに載る説明文によると、産業道路は次のように定義付けされています。

「おもに貨物輸送の交通に供される道路の通称。

 工業団地と埠頭を結ぶ区間に設けた道路や、工業地域を縦貫する道路などを指す」

 このように、物流の大型トラックが多く通る路線や、工業団地の付近にある道路を総称して産業道路と呼んでいることから、広い・狭い、長い・短いに関係なく、上記の条件に該当する道路は全て産業道路と表現することができるでしょう。

 それでは、産業道路にはどのようなものがあるのでしょうか。

 産業道路には様々な種類がありますが、一例として「東京都道・神奈川県道6号線 東京大師横浜線」を挙げてみます。

 東京大師横浜線、通称・産業道路は、東京都大田区から神奈川県横浜市の湾岸部を結ぶ主要路線で、神奈川県内は首都高1号線の高架下を通っています。

 大規模な京浜工業地帯を縦断し、大型車両の交通量も多い片側3車線規模の大きな路線であることから、多くの人がイメージするような“産業道路”像にマッチするものといえます。

 途中、神奈川県川崎市で交差する京浜急行大師線の最寄り駅も「産業道路駅」となるほど、道路名称が古くから地域にも認知されているひとつの例といえます(駅名は、産業道路と交差する踏切を地下化した翌年の2020年に「大師橋駅」へ改名しています)。

 しかし反対に、片側車線が1車線しかない小規模な産業道路も存在しています。

 例えば、埼玉県の新座市から東京都練馬区を結ぶ産業道路は「市道」で、片側1車線のごく一般的な対面通行です。

 郊外の住宅街を抜ける生活道路といった風情ですが、こちらも地域では産業道路と呼ばれています。

 同様の例は、首都圏を中心とした他県の都市部などでみられるようです。

 そんな産業道路の歴史は、いつから始まっているのでしょうか。

 前出の神奈川県にある産業道路駅(現・大師橋駅)は、第二次世界大戦中の1944年に鉄道が開業した時から、改称された2020年まで同じ駅名だったといい、戦前にはすでに駅周辺で、東京都から神奈川県にかけて結ぶ産業道路と呼ばれる主要道路が存在していたことがわかります。

 そして戦後の高度成長期、産業道路は各地に建設された工業団地や物流拠点と高速道や国道、港湾部などを結ぶ主要道路として、自治体などによる公共事業整備が進んだことで、急激にその数を増やしています。

 ただし産業道路という呼び名自体には明確な定義がなく、一般国道や自動車専用道路、都道府県道、市町村道と道の種類に関わらず、全国各地に同様の名称が「愛称」として使われているのが現状です。

 単に産業道路と呼ぶ場合もあれば、地域やエリアの名を冠した「西多摩産業道路」「水島産業道路」「臨海産業道路」といった通称名も各地で散見されます。

 このように産業道路は、北は北海道・東北から、南は鹿児島県に至るまで、各地域の産業と物流を支える主要道路の呼び名として、今も親しまれてます。

【画像】「工場萌え」湾岸エリアで物流を担う大型トラックが行き交う「産業道路」の写真を見る(13枚)

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1件のコメント

  1. 川崎の産業道路の夜間の信号の繋がりの悪さは最早犯罪者レベル。
    誰一人横切らないのに交差点に進む度に毎回必ず引っかかる。
    どうにかしろよ。

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