悪天候で「標識見えづらい!」 取締りの交渉材料にできる? 警察官が取締りで必ず確認する“ポイント”は 台風時の取締りはどうしてる?
最近は台風14号が九州地方をはじめ日本列島の広い範囲を襲い、強風や大雨などをもたらしました。ではこうした悪天候時には、警察による交通取締まりはどうしているのでしょうか。またドライバーが交通取締まりを受けた場合、悪天候を交渉材料にすることはできるのでしょうか。
台風時の「交通取締まり」どうしてる?
最近では、台風14号が九州地方をはじめ日本列島の広い範囲を襲い、強風や大雨などをもたらしました。
ではこうした悪天候時、警察の交通取締まりはどうしているのでしょうか。またドライバーが取締まりを受けた際、悪天候は交渉材料になるのでしょうか。
今回は交番勤務6年、生活安全部門で2年携わってきた経験を持つ元警察官のBさんに話を聞きました。
結論から言うと、台風や大雨などの悪天候時は警察の交通取締まりが少なくなる可能性があります。
そもそも台風や大雨などの悪天候時は、警察も地域の災害危険場所を確認したり、住民の避難誘導、道路の交通規制などをおこなう場合があります。
また一般住民から警察に対して避難に関する通報や、突風で看板が飛んでいたなどの情報提供がおこなわれることもあり、悪天候時には災害防止対策・対応に重点を置く可能性が高くなるといえるでしょう。
高速道路の場合では、降雨量がある基準まで増加すると区間ごとに通行止めを実施することがあるため、悪天候時は速度取締まり自体ができないこともあります。
このほか各都道府県警察では、交通取締まりの一部をホームページで公開していることがあり、例えば愛媛県警察では各警察署ごとに日時や曜日、時間など取締まりに関して細かく記載されています。
一方で「公開した取締りは、事件対応や悪天候のため予告なく変更することがあります。」とも記載されており、天候によっても変更する可能性があるといえます。
また天候が悪い場合、ドライバーは運転中に道路標識などが見えづらいというケースもあるでしょう。
これについて、ドライバーのなかには悪天候時に交通取締まりを受けた場合、交渉材料に持ち出すことはできるのかと考えたことがある人もいるかもしれません。
そもそも警察が交通取締まりをおこなう場合は、事前に取締まり場所の視認性を確認します。
視認性とは「目で見たときの確認のしやすさ」という意味ですが、例えば木が強風にあおられて道路標識を覆ってしまっている場合や、道路が冠水して道路標示が見えなくなっている場合、視認性が良いとはいえません。
道路交通法施行令第1条の2第1項においても、「都道府県公安委員会が信号機又は道路標識もしくは道路標示を設置するときは、歩行者、車両又は路面電車がその前方から見やすいように設置しなければならない」と定められており、道路標識や標示などは、ドライバーからきちんと確認できる状態でなければいけません。
実際に私(元警察官Bさん)が交通取締まりをおこなっていた際も、事前に標識などの視認性を十分に点検するように指示されていました。
このように、視認性が交通取締まりに影響していることから、悪天候時に取締まりを受けた場合、道路標識や道路標示など視認性が悪いと確認できた場合には、警察との交渉材料にできるといえるかもしれません。
過去に兵庫県では、通行禁止違反で交通取締まりを受けた男性が県に対し、「視認性の悪さ」を原因に訴訟を起こし、神戸地裁が男性の主張を認めたというケースもあります。
ただし、荒天時であっても災害の危険が差し迫っていない状況において、警察の目の前で交通違反をすれば当然取締まりを受ける可能性はあります。
また、悪天候時は視界が悪くなる、タイヤが雨でスリップするなど晴天時と比べて交通事故の危険性は高くなると考えられるので、交通取締まりの有無にかかわらず安全運転を心がけましょう。
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交通取り締まりは、「視認性」について十分点検しながらおこなわれているということが分かりました。
一方で台風や大雨など悪天候時の運転は十分な注意が必要なため、こうした際の外出はできるだけ控え、どうしても運転する場合には天候の変化に十分気をつけましょう。
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