エリザベス女王死去 生前女王陛下が乗ったベントレー「ステートリムジン」とは? 自動車業界から追悼の声も
2022年9月9日(現地時間9月8日)、ベントレーモーターズは、エリザベス女王の死去をうけ声明を発表しました。
エリザベス女王が乗ったベントレー「ステートリムジン」
2022年9月8日、エリザベス女王陛下が滞在先のスコットランド「バルモラル城」にて死去しました。
これを受けて、2022年9月9日ベントレーモーターズジャパンは公式サイトやSNSで声明を発表しました。
2022年9月8日、英国王室はエリザベス女王陛下が滞在先のスコットランド「バルモラル城」で死去したと報じました。同日、体調が急変し医師の管理下に置かれたことも発表されていました。
このエリザベス女王陛下の死去に関して、ベントレーモーターズジャパンは以下のように声明を発表しています。
「ベントレーモーターズジャパン一同、女王陛下のご逝去を悼み、深くお悔やみ申し上げます。70年以上にわたり、英国および英連邦の人々のためにその生涯を捧げられた、本当に素晴らしい女性でした。
私たちはいまこの時、世代を超えて人々に感銘を与えてきた女王の歴史的な在位に感謝を表すとともに王室の皆様に心よりお見舞い申し上げます」
声明にはエリザベス女王陛下がベントレー「ステートリムジン」から降りてくる一枚の画像が添えられていました。
ステートリムジンとは、女王陛下の就任50周年を記念して進呈されたイギリス王室向けの公用車です。
ベントレー「アルナージ」をベースに、ただ1台だけエジンバラ公爵や女王陛下の運転手、そして女王陛下自身の意見を取り入れて作成されました。
多くの人々にとって、パレードなどで通り過ぎるステートリムジンを見ることは、女王陛下を見る数少ない機会になります。そのため、このクルマは「パノラミックグラスハウス」というコンセプトでデザインされ、外からの視認性を高めています。
ベースとなった「アルナージ」よりも全長が800mm以上長いだけでなく、幅も高さも拡張されており、高さに至っては女王陛下が身をかがめることなく文字通り歩いて乗り降りできるほど高くなっています。
後部ドアはリア側にヒンジがあり、90度開くので、とても乗り降りがしやすくなっています。
さらに、ルーフには紋章やペナントを取り付けるためのマウントポイントがあり、ラジエーターグリルの内側とフロントバンパーには、交通渋滞のなかで素早く移動するために青く点滅するフラッシャーが取り付けられているなど、特注の機能が満載されています。
女王陛下の公用車としては女王陛下が長時間、車内で快適に過ごせることも重要になってきます。
そこで、モノコック構造を採用し、トランスミッショントンネルをキャビンの下に通すことで、よりフラットなフロアを実現しました。
後部座席の位置は女王と全く同じ身長のモデルで決め、ハンドバッグの収納は女王が愛用するバッグの寸法で設計されています。
リアシートの内装に使用されたラムズウールの布はイギリスのテキスタイルメーカー「Hield Brothers」が製作し、残りの内装はすべてライトグレーのコノリーレザーで仕上げられています。
フロアマットは、リアシートがペールブルー、フロントシートがダークブルーで統一されています。
国家元首である女王陛下は、常に攻撃の脅威にさらされる可能性があります。そのため、車体やガラスはすべて特別に強化されており、キャビンは耐爆風構造で、ガス攻撃にも気密性を保つことができるようになっています。
またタイヤもケブラーで補強され、非常時にもスピードが出せるようになっています。
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ベントレーの公式サイトには、エリザベス女王陛下はこのステートリムジンを就任後70年経ったあとも(つまり納車後20年間)使用したと記載しています。
その税制などから、「古い車」を大事にする文化があるといわれるイギリスですが、王室も例外ではなかったのかもしれません。
エリザベス女王陛下死去後、日本を含め各国から追悼の声が集まっています。
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