日産の「高級セダン」が無くなる!? かつて社会現象を巻き起こした名車… 「シーマ」生産終了の反響はいかに
日産を代表する高級セダン「シーマ」は、2022年8月31日をもって生産終了となりました。近年では数える程度しか販売されていなかったというシーマですが、かつて一世を風靡したモデルということもあり、生産終了を悲しむ声は少なくないようです。
日産「シーマ」生産終了!数少ないセダンがまた1台…
2022年8月31日、日産は、5代にわたって続いた「シーマ」の生産を終了しました。同時に、兄弟車である「フーガ」も生産が終了とされています。
近年では数える程度しか販売されていなかったというシーマですが、かつて一世を風靡したモデルということもあり、生産終了を悲しむ声は少なくないようです。
1988年に発売された初代シーマは、車両本体価格400万円台と、当時としてはかなり高額な金額設定だった一方で、初年度に年間3万台以上を売り上げる大ヒットモデルとなりました。
その様子は「シーマ現象」と呼ばれ、バブルの日本を象徴するエピソードのひとつとなっています。
現行モデルは、2012年に誕生した5代目です。2022年8月31日の生産終了時点では、「GT-R」をのぞいて日産のなかではもっとも高額なモデルとなっており、日産のフラッグシップモデルとして君臨していました。
そんなシーマの生産終了について、SNSでは「シーマ、いままでありがとう」「シーマを買うために貯金頑張ってたのに…」と、ラインナップから消えることを惜しむ声も見られました。
店頭でのユーザーの様子について、都内の日産販売店の担当者は「生産終了が明らかになったことで駆け込みで受注してくださったお客さまもいらっしゃいました」と話します。
さらに、神奈川県の日産販売店担当者は、「『シーマがなくなるのは寂しい』など、生産終了を悲しむお客さまもいらっしゃいす」といい、SNS同様に店頭でもシーマの生産終了を惜しむ声が寄せられていたことがわかります。
ただ、もともと受注生産となっていたシーマは、現在では数える程度しか販売されていなかったというのが実情です。つまり、シーマの生産終了によって影響を受けるユーザーは、事実上ほとんどいないことになります。
にもかかわらず、SNSなどではシーマの生産終了を悲しむ声が多く見られるのは、かつての「シーマ現象」を思い起こすユーザーが少なくないからかもしれません。
またGT-Rをのぞけば、日産の乗用車の中では最も高価格なモデルであったシーマは、名実ともに日産のフラッグシップとして君臨していました。
たしかに近年の販売台数自体は低調だったシーマですが、多くのユーザーにとっては日産を代表するモデルとしてのイメージが強く、ほかのモデルよりもファンの思い入れが強いモデルだったといえます。
一方、シーマを求めていたユーザーは、今後どのモデルを選べばよいのでしょうか。
都内の日産販売担当者は「セダンを好むお客さまに対しては、『スカイライン』をおすすめさせていただく可能性はあります」と話します。
ただ、シーマとスカイラインでは、セダンという点では共通しているものの、車格や性格が大きく異なるため、完全に需要を満たすことは難しいかもしれません。
役員車両などの法人利用が想定されるケースでは「エルグランド」が代替候補に上る可能性もありますが、いずれにせよシーマの完全な受け皿になるとはいえません。
このように考えると、シーマを検討していたユーザーは、日産以外のラインナップを検討せざるを得ないことがわかります。
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シーマおよびフーガの生産終了にともない、日産のラインナップのなかでセダンはスカイラインのみとなりました。
ただ、現状のセダン不況を見ると、スカイラインでさえも存続が危ういと考えるユーザーも少なくないようです。
SNSでは「せめてスカイラインは続いてほしい」という声も聞かれるなど、スカイラインを、日産のセダンの「最後の砦」と考えている人も多いようです。
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