新型「シエンタ」は和製フランス車!? トヨタの信頼性×欧州車のルックスって最強パッケージなのでは?

トヨタ新型「シエンタ」は、まるで欧州車のようなデザインでありながら、トヨタ製という絶大な信頼性を両立しています。どのようなところが魅力なのでしょうか。

ファミリーカーに必要なのは「信頼性」

 3代目となる新型が登場したトヨタ「シエンタ」。日本国内の狭い道や駐車場などでも取り回しのしやすい5ナンバーサイズを死守しながらも、7人が乗れる3列シートを設定し(5人乗り2列シート仕様も設定)、安定した人気を誇っています。

フランス車のような雰囲気を持つ新型「シエンタ」
フランス車のような雰囲気を持つ新型「シエンタ」

 そんな使い勝手に優れたシエンタですが、新型モデルはどことなくフランスのMPV(マルチパーパスビークル)を思わせる“マルシカク”モチーフのデザインとなり、長く愛せそうなルックスも好評を集めています。

 なかには、新型シエンタがルノー「カングー」やシトロエン「C3ピカソ」「ベルランゴ」といったフランス車や、イタリア車のフィアット「パンダ」のように見えるという声もありますが、従来から信頼性の高さで定評のあるトヨタのメカニズムと日本の道路事情にマッチした5ナンバーサイズのボディ、そして充実した先進安全を備えながらも欧州車テイストのデザインのクルマに乗れるということは、もしかすると全方位に最強なパッケージングともいえるのではないでしょうか。

 もちろん欧州車には日本車にはなかなか真似のできない懐の深い乗り味や、街中であまり見かけない希少性が魅力だといえますが、ファミリーカーにそこまでのものを求めないユーザーからすれば些細なことといえるでしょう。

 また、「欧州車は故障が多いというけれど、そこも含めて魅力なんだ!」という意見もあり、トラブルを乗り越えることでさらに愛着が湧いたり、たまにグズる愛車をなだめながら乗るという行為に歓びを感じるコアな欧州車好きも存在します。

 しかし、日常的に使用することが基本となるファミリーカーにおいては、24時間365日どんな環境下においてもトラブルが発生することなく動いてくれることこそが至上命題。大切な家族を守るためにも、最新の先進安全装備が備わっていることは非常に重要なポイントとなります。

 そもそもファミリーカーであるシエンタと、趣味性の高い輸入車とでは求められるポイントが異なっており、ファミリーカーを求める層に関しては、新型シエンタの“輸入車っぽい”デザインと高い信頼性と安全性が両方備わっているということは非常に魅力的に感じることでしょう。

 それに、本当はフランス車などを購入したいと思っているけれどハードルが高いと感じているユーザーが、新型シエンタを通じて次は本当に欧州車にチャレンジする可能性もあるわけで、そういった意味では近い将来の輸入車乗りが増えるきっかけとも考えられます。

 もちろんトヨタ車も絶対にトラブルが発生しないとはいえませんし、輸入車も昔ほどトラブルが頻発することはなくなってきてはいますが、長年をかけて積み重ねてきたイメージというのはなかなか覆らないというのもまた事実。

 そういった意味では、新型シエンタが輸入車に対する先入観を打ち砕く1台になる可能性を秘めているといえるのかもしれません。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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