見た目は「ただの戦車?」 実は「IT」駆使したスゴイ奴! 日本を守る「10式戦車」とは

自衛隊が所有する「10式戦車」。歴代で採用されてきた戦車と比べると小型なサイズの戦車です。一方で重厚長大化し続ける他国の戦車と比べると小型化するというのは特異な流れともいえます。そんな10式戦車にはどのような特徴があるのでしょうか。

「どかーん!」とスゴイ! 最新のIT戦車とは

 自衛隊の駐屯地や演習場でもない限り日常生活で戦車を見ることはほとんどありませんが、陸上自衛隊が使っている戦車は国産車です。

 各国の軍が戦車を保有していますが、世界中を見渡しても戦車を設計、開発、生産まで一貫してできる国は実は両手に余ります。

 戦車を製造している国も主要パーツは輸入品かライセンス生産しているのがほとんどです。

これはスゴイ! 走行しながら真横に射撃する10式戦車(画像:陸上自衛隊)
これはスゴイ! 走行しながら真横に射撃する10式戦車(画像:陸上自衛隊)

 戦車はその国の産業力を示すひとつの指標ともいわれる所以です。日本の国産戦車は1927(昭和2)年2月に「試製一号戦車」を完成させて以来95年の歴史があります。そして陸上自衛隊で現在配備を進めているのが10式戦車です。

 戦後の国産戦車は1961(昭和36)年に制式化された61式戦車、1974(昭和49)年に制式化された74式戦車、1990(平成2)年制式化の90式戦車、そして2010(平成22)年制式化の10式戦車と4代に亘ります。61式は2000(平成12)年に全車退役しました。

 10式の先代の90式は他国戦車にも充分対抗できる戦車でしたが、重量50tというボリュームは日本国内では扱いにくいものでしたので、90式の戦闘力を74式のサイズで実現することを目指したのが10式戦車といわれます。

 重厚長大化し続ける他国の戦車と比べると小型化するというのは特異な流れともいえます。

 10式戦車の特徴は、陸上のイージスシステムともいわれるくらいITを駆使した戦闘ができることです。

 主砲の威力や装甲の厚さという戦車単体の能力ではなく、連携した部隊全体で最大の戦闘力を発揮するようになっています。

 リアルタイムで交戦状況図を表示できる指揮統制通信機能を搭載することを最初から設計に盛り込んだ世界初の戦車といわれてます。

 連動してリアルタイムに戦車間の情報共有ができる「野戦コミュニケーションシステム」(FiCS)を備え、基幹連隊指揮統制システム(ReCS)に接続し他部隊とも連携行動が可能です。

 判明している敵の位置と味方の位置や各車の燃料や弾数などの状況などを表示し、それを見ながら指揮統制が出来ます。

 語弊はありますがオンラインゲームをやっているようなイメージでしょうか。

 主砲は90式戦車と同じ口径の120mm砲ですが、どんなに大きな砲でも命中させなければ意味がありません。

 10式の指揮・射撃統制装置は90式から異次元ともいえる進歩をしています。

 指揮・射撃統制システム内に豊富な目標の画像データベースを持っているのです。

 センサーが目標を探知すると画像データベースと照合しそれが戦車、装甲車、トラック、人員、航空機なのか種類を自動的に識別します。

 目標の脅威度の判定を自動的におこない、ディスプレイに目標を色分けして優先攻撃すべき目標を強調表示します。

 乗員が攻撃を決心して目標をロックオンしたら、データベースから目標の弱点を自動的に精密照準します。

 射撃後も着弾した場所を精密に計測して効果は不十分と判定されれば、次弾射撃の必要性を表示します。

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1件のコメント

  1. 「実は両手に余ります」の意味・意図がイマイチ分からず、ネットで調べても明確なものが出てこなかったんですが、10数カ国以上有るってことでしょうか。
    世界中を見渡しても、という文章なので世界中でもわずか10数カ国しかないということですね。

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