反則金9000円も!? 「高速道路でガス欠」は違反です! ついパニックに!? 燃料切れた時の対処法とは

高速道路を使って遠出をすることを考えている人もいるかもしれません。そこで気をつけたいのが高速道路でのガス欠です。高速道路で燃料切れになると交通違反に該当することも。では、いざガス欠になってしまった際、どのように対処すれば良いのでしょうか。

突然「高速道路でガス欠」どうしたらいい?

 最近では新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、マイカーでの帰省や移動が注目されています。
 
 マイカー移動に欠かせないのはガソリンの給油ですが、最近はガソリン価格の高騰により少量ずつしか給油をしないという人も少なくありません。
 
 遠方へ行く際には、高速道路を使用する人もいるかもしれませんが、実は高速道路でガス欠を起こしてしまうと、交通違反になってしまう可能性があります。
 
 では、高速道路でのガス欠はどのような交通違反に該当してしまうのでしょうか。また高速道路上でガス欠になってしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。

高速道路で「ガス欠」違反になるの!? (画像はイメージ)
高速道路で「ガス欠」違反になるの!? (画像はイメージ)

 高速道路でガス欠を起こすと、道路交通法第75条の10第1項「自動車の運転者の遵守事項」の違反に該当する可能性があります。

 この条文では、高速自動車国道および自動車専用道路を走行しようとするときは、あらかじめ燃料、冷却水、エンジンオイルの量、貨物の積載状態を点検し、途中でガス欠などのために走行できなくなったり貨物が転落・飛散したりする事態を防止する措置を講じなければならないことが示されています。

 つまり、高速道路などの自動車専用道路を走行するときは、ガス欠などで運転できなくなる事態が発生しないよう、事前の給油やクルマの点検などをおこなう必要があるということです。

 この違反は、高速自動車国道等運転者遵守事項違反に該当し、違反点数2点、普通車で反則金9000円が科されます。

 また刑罰として、道路交通法第119条第1項第12の3号により、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されるケースもあります。

 さらに、高速道路上でのガス欠は交通違反の可能性だけでなく、ドライバー自身や周囲のクルマとの大きな事故に繋がる危険性を伴います。

 高速道路は、一般道路よりも早い速度でクルマが走っているため、突然クルマが止まってしまうことで、後続車に追突される、クルマから降りた際に轢かれるなどの危険性が高くなります。

 警察庁交通局が過去2018年に公表した「平成29年(2017年)中の交通事故の発生状況」によると、高速道路上の車線で停止していたクルマへの追突事故が3768件、路肩で停車していたクルマへの追突事故が44件発生しており、車線上はもちろん、路肩でも追突される危険性があることを示しています。

 このように、高速道路でのガス欠は交通違反になってしまう可能性があるだけでなく、事故の原因になるなど、自分や周りのクルマにも危険を及ぼすおそれがあります。

 平素からクルマのガソリン残量やエンジンオイルなどを点検したり資機材を備えておくなど、もしもの時の心構えをしておきましょう。

※ ※ ※

 では、高速道路上でクルマがガス欠や故障に見舞われてしまった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。

 警察庁では、クルマが動かせる場合は可能な限り、サービスエリアやパーキングエリアなどの安全な場所まで移動させることや、やむを得ず高速道路の車道や路肩に停止する場合は、「路上に立たない」「車内に残らない」「安全な場所に避難する」と高速道路の緊急時の3原則の措置を徹底するよう呼びかけています。

 これは、警察やレッカー業者に連絡をするため、道路上で電話をしていたところを後続車に轢かれたり、クルマの中にいても後続車に追突されたりする事故が発生していることが理由にあげられます。

 クルマを停止させるときは、後続車両から追突されることを防止するためハザードランプを付け、クルマの後方に「三角表示板」と呼ばれるクルマの停止表示板と発煙筒を設置します。

 クルマから降りるときも、後続車が来ないかどうか慎重に確認することが重要です。それらの機材を設置した後は、速やかにガードレールの外など安全な場所に避難します。

 自分の身の安全を確保した後は、携帯電話で110番をするか、高速道路に設置された非常電話で通報をおこないましょう。非常電話は1kmおき、トンネル内では200mおきに設置されています。

 また、NEXCO西日本によると、クルマの故障の場合には道路緊急ダイヤル(♯9910)へ通報するよう呼び掛けているため、通報先も確認しておくと良いでしょう。

 高速道路上で急にクルマがガス欠、故障などを起こすと、運転手がパニックになってしまうことも考えられます。

 このため、いざという時の緊急連絡先を記載したメモをクルマに置いておく、三角表示板、発煙筒などの資機材をクルマに積んでいるか点検する、またその使い方についても確認しておくなど、日頃からの備えが非常に大切です。

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