新型「クラウン」セダンはFRじゃないとダメ? 3種のSUVを新設定するトヨタの狙いとは?
トヨタ新型「クラウン」は、これまでのセダンに加え、3つのSUVを新たに設定し、全4モデルをラインナップします。これにはどのような狙いがあるのでしょうか。
新型クラウンは4モデルが用意される!
2022年7月に世界初公開されたトヨタ新型「クラウン」に驚いた人は多いでしょう。クラウンは今まではセダンとして発展してきたのに、SUVを3種類も用意したからです。
このフルモデルチェンジをユーザーの立場で見ると「クラウンだけは残したい!」というトヨタの願いを感じます。
近年ではセダンの売れ行きが世界的に低調で、車種の廃止も目立ちます。とくにトヨタは軽自動車を自社開発しない小型/普通車のメーカーですから、かつてはセダンの車種が数多くありました。
セダンの売れ行きが下がった結果、「マークX(かつてのマークII)」、「プレミオ(コロナ)」、「アリオン(カリーナ)」など、以前は国内販売の主役だったトヨタのセダンが次々と廃止されました。
クラウンも同様に売れ行きを下げています。1990年におけるクラウンの登録台数は、1か月平均で約1万7300台に達しており、今のヤリスシリーズ(ヤリス+ヤリスクロス+GRヤリス)と同等に売れていました。
それが2021年のクラウンの登録台数は、1か月平均で約1800台に留まり、1990年の約1割です。
ここまでクラウンが売れ行きを下げた背景には、セダンの衰退と併せて、「アルファード」や「ハリアー」の人気もあります。
トヨタの販売店からは、次のような話が聞かれます。
「最近はクラウンからアルファードやハリアーに乗り替えるお客さまが増えました。とくにアルファードは車内が広く豪華で、乗り心地も快適です。
政治家や企業のトップがアルファードを使い、その様子がTVニュースなどで放送されて、アルファードの人気が急上昇しました」
つまり今のアルファードは、人気の高かった時代のクラウンに相当する存在なのでしょう。
とくに2020年5月以降は、トヨタの全店が全車を販売する体制に移行しています。それまではクラウンはトヨタ店、アルファードとハリアーはトヨペット店で売られ、クラウンから乗り替えるには、基本的に販売店を変える必要がありました。
それが2020年5月になると、トヨタ店でもアルファードやハリアーを買えるようになり、乗り替えも急速に進んだのです。
2020年には、クラウンの登録台数は前年に比べて約40%減りました。しかしアルファードは32%増えて、ハリアーは現行型に刷新されたこともあって82%増加しています。
この推移を考えると、かつてのマークII、コロナ、カリーナなどと同様、クラウンも廃止される運命にありました。それを敢えて残した一番の理由は、クラウンが初代モデルを1955年に発売したトヨタの基幹車種になるからです。クラウンだけは、特別扱いされたというわけです。
クラウンはセダンボディで、もう少し進化させる方法もありましたが、トヨタは先を急ぎました。そしてクラウンを確実に存続させるには、売れ行きを下げない手堅いクルマ造りが必要で、人気の高い売れ筋カテゴリーで開発するのがもっとも効果的です。
また従来のクラウンは国内市場が中心で、累計販売台数約680万台の内、80%以上を国内で売ってきましたが、今の日本は伸び悩み傾向です。存続を図るなら、海外でも売りたいです。
そこで新型クラウンは、上級SUVに発展しました。SUVは海外でも販売できる人気のカテゴリーだからです。
一般的にフルモデルチェンジは、クルマ造りを刷新しても、カテゴリーは踏襲します。
「ランドクルーザー」がミニバンになったり、アルファードがスポーツカーに変わることはありません。
かつての日産「レパード」のように、2ドアクーペをセダンに変更するようなフルモデルチェンジは稀です。それをクラウンが実践したのは、クラウンの車名を絶やしたくないからといえるでしょう。
セダンをFR化したいならFF横置きベース4WDからフロント駆動を外してしまえば、いとも簡単に作れるw
何もコストが掛かる手法でもあるまい!
プラットフォームがFF用であろうが簡単にFR化出来るはずだ!今からでも遅くは無い。
クラウンセダンはFRで出して貰いたいw