ブレーキから「うるさい」キーキー音! 迷惑になるだけでなく事故のリスクも! その原因と対策とは
ブレーキを踏んだ際、「キーキー」と異音がなった経験はありませんか。もしかしたらブレーキ関連パーツの交換の合図かもしれません。異音の原因と対策を紹介します。
ブレーキ踏んだらうるさい「キーキー」音! もしかして故障?
ブレーキを踏んだときに「キーキー」と甲高い音が出ることがあります。
このキーキー音は運転者自身が不快なばかりか、周りへも迷惑な騒音となりかねません。
この不快な音は、ブレーキの摩耗が進んでいることを示す、いわば「アラート音」(警告音)の役目を果たしてくれます。一般的には、ブレーキ関連パーツの交換時期が近くなっている前兆ですが、なかにはパーツしたばかりでもキーキー音が出る時もあります。
今回は、このブレーキからのキーキー音の原因や対策について紹介します。
まずクルマのブレーキとはどのようなものかを知るために、仕組みについて確認します。
クルマのブレーキシステムには主に大きくわけて2種類あります。「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」です。
ディスクブレーキは、クルマのタイヤと一体になって回転するブレーキディスクローターにブレーキキャリパーに取り付けられたブレーキパッドを油圧の力で押し付け、その際に発生する摩擦力によって制動力を得るものです。
外部に露出している事から放熱性に優れ水分や汚れも弾き飛ばしやすく、走行中も安定した制動力を確保できるのがメリットです。現在ほとんどの乗用車がこのディスクブレーキを4輪全てもしくは前2輪のみで採用しています。
一方でドラムブレーキは、タイヤの内側に設置されたブレーキドラム内部に摩擦材が張られたブレーキシューがあり、タイヤと共に回転するブレーキドラム(回転体)の内側に、ブレーキシューを押しつけることで、ブレーキドラムの回転を止め、クルマを減速・停止させるシステムです。
ドラムブレーキのメリットは押し付けられたブレーキシューが回転するドラムに対して食い込むようになり、制動力倍増作用(自己倍力作用)が発生すること。これによりディスクブレーキよりも強力な拘束力が得られ、トラックやバス等の大型車を中心に採用されます。
しかし、熱を保ちやすくドラム内部に水分が溜まる事もあり連続的に安定した制動力を出すには不向きとされています。
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それではブレーキを踏んだときに出るキーキー音の原因はどのようなものなのでしょうか。
ブレーキを踏むと異音(キーキー音)がする原因は、大きく分けて4パターンあります。
1つ目は外気温の低さです。真冬の寒い日や雨天時にブレーキが鳴く場合はこれに該当する可能性があります。原因はブレーキパッドが一時的に固くなり、ブレーキディスクロータとの接触時に「キーキー」音が発生してしまいます。この場合、しばらく走ると熱が加わり音は無くなります。
2つ目は潤滑油(グリス)切れです。ブレーキパッド裏側のキャリパーピストン接触面やシム(金属の板)との間にはグリスが塗布されています。このグリスは振動を吸収するクッションのような役割を果たしますが、このグリスが切れると、キーキー音がすることがあります。これが原因であればグリスを再塗布塗すればキーキー音は収まります。
3つ目はブレーキパッドに凹凸がある場合です。ブレーキは表面に凹凸があると異音に繋がりますが、その一つにバリがあります。
ブレーキを多用していけばやがてブレーキパッドの角にバリがでてきてしまい、ディスクロータとバリが擦れて異音がします。バリはヤスリ掛けで除去出来ますが、自然に削れる場合もあります。
またディスクローターの錆も異音につながりますが、錆は少し走れば削れて消えてしまうので異音もすぐ無くなります。
ブレーキからパッドとディスクローターの間に小石などの固い異物が隙間に挟まり異音を発生させることもあります。この場合異物を除去すれば収まります。
4つ目はブレーキパッドが減っている場合です。ブレーキパッドは新品時、摩擦材の厚さが10mm前後ありますが、ブレーキを使うことで摩擦材は徐々に薄くなっていきます。
摩擦材の残量が2~3mmほどになると吸収しきれない振動等でキーキーと音が出やすくなり、残量が2mmを切ってくると、パッドウェアインジケータと言われる金属パーツがディスクロータと干渉し、異音が出ます。
この場合、ブレーキパッドが交換時期であると知らせるための警告音となり、速やかに交換をすることが必要となります。
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