日産新型「エクストレイル」初公開! 9年ぶり全面刷新で「何が変わった?」 新「e-POWERターボ」搭載!? 待った甲斐あった?
2022年7月20日に日産は4代目となる新型「エクストレイル」を発表しました。9年ぶりに全面刷新しました。日本向けには初採用となる技術を搭載しているといいますが、どのような特徴があるのでしょうか。
これが世界初技術搭載の新型「エクストレイル」だ!
日産は、4代目となる新型「エクストレイル」を2022年7月20日に発表しました。
海外ではすでに先行して発表されている新型エクストレイル(北米名ローグ)ですが、日本で登場する新型エクストレイルにはどのような特徴があるのでしょうか。
エクストレイルは、同社のビジネスをけん引する重要なモデルで、2000年に初代、2代目は2007年、3代目は2013年に登場しています。
グローバルモデルとして世界の数多くの地域で販売がおこなわれており、累計販売台数は630万台を超えています。
2020年に発表された事業構造計画発表「NISSAN NEXT」の会見で、内田誠社長兼CEOは「積極的な新車投入」を公言しており、そのなかの1台が「ローグ」です。
ちなみにローグは北米向けエクストレイルで2020年10月下旬に発売がスタート。
その後、中国や欧州などで順次発表されるも、日本向けはノーアナウンス。日産は「過去のように日本市場は軽視しない」と語っているものの、筆者は「結局、昔と変わっていないよね?」と感じたのも事実です。
そんななか、日本市場で4代目となる新型エクストレイルがお披露目されました。
北米向けから約2年遅れとなりますが、実は日本向けが初導入となる「強力な武器」が備えられているといいますが、どのようなモノなのでしょうか。
エクステリアは初代/2代目のボクシーさと3代目のアーバンさを上手なバランスで融合。
フロントマスクは進化したVモーションググルと上下2分割式のヘッドライト、サイドはUシェイプと呼ばれるハイライト、リアは現行モデルのイメージを継承しつつも先鋭的な処理により、エクストレイルのDNA「タフギア」と現在のSUVが求める「仕立ての良さ」がバランス良く表現されているように感じました。
個人的にはデザイン自体は歴代モデルから大きく変わっていますが、一目でエクストレイルと解るデザインで、「懐かしいのに新しい」印象です。
スクエアなボディ形状のためサイズは大きくなったように感じますが、全長4660mm(-30)×全幅1840mm(+20)×全高1720mm(-20)、ホイールベースは2705mm(±0)と現行モデルとほぼ同等といっていいでしょう。
インテリアは先代よりも乗用車テイストを高めた印象で、水平基調のクリーンなインパネ周りは「ノート」、「アリア」、「サクラ」との共通性を感じる洗練されたデザインです。
12.3インチのフルデジタルメーター、10.8インチのフルカラーヘッドアップディスプレイ、センターの9.0インチタッチスクリーンなどで先進性を高めながらも、フローティング形状が特長の「ブリッジセンターコンソール」でSUVらしい堅牢で守られた空間を演出。
先代で課題となっていた質感の部分も大きくレベルアップしており、上級の「G」グレードはソフトレザー並みの触感を持つ人工革皮(テーラーフィット)に加えてオプションでキルトデザインのナッパレザーシートを設定。
さらにBOSE製サウンドシステムなどの採用も相まって、プレミアムセグメントに足を踏み込んだ仕立ての良さも特徴です。
居住性も高められており、後席はパッケージング最適化や薄型シートの採用などより、ヘッドルーム/膝周りスペースを共に拡大。
広いドア開口やスライド機構(+20mmの260mm)などで利便性もアップ。ラゲッジルームは開口幅/荷室長アップに加えて積み下ろしがしやすい形状で、より“広くて使える”ラゲッジに仕上がっています。
メカニズムは一新。パワートレインは「次世代e-POWER」のみでガソリン車の設定はありません。
エンジンは106kw/250Nmを発揮する直列3気筒1.5L-VCターボ(106kW/250Nm)を搭載。VCとは、バリアブル・コンプレッション可変圧縮エンジンを意味しています。
エンジンの性格を決める圧縮比をピストンの上/下死点を連続的に可変するマルチリンク機構により、8.0(出力追求型)~14.0(燃費追求型)と連続的に切り替えることが可能です。
これによりひとつのエンジンにふたつの性格を持たせることが可能になり、従来のe-POWERで課題だった、燃費と出力のバランスが高レベルで両立。
駆動用モーターは高出力化され、フロントが150kW/330Nm(ノート比1.2倍)、リアが100kW/195Nm(ノート比1.9倍)のパフォーマンスを発揮。
システム的には前後のモーターに機械的な繋がりがない電動AWDですが、この前後モーターとブレーキを制御して4輪の駆動力を綿密に最適制御する技術が「e4ORCE(イーフォース)」になります。
これにより、走る環境や場所を問わずまるで運転が上手くなったかのような「意のままの走り」と、姿勢変化の抑制によるフラットで快適な「乗り心地」を両立させました。
ちなみに「次世代e-POWER × VC Turbo × e-4ORCE」の組み合わせは、日本向けの新型エクストレイルが世界初採用です。
つまり、日本向け導入が遅れた理由は日本市場軽視ではなく、「日本のユーザーに日産の最先端テクノロジーを一番に体感していただきたい」と、むしろ日本市場を重要視するが故の判断でした。
筆者はそれならば、事前に「日本向けは驚きの技術を仕込んでいるので、もう少しお待ちください」といったようなアナウンスを発信して、他銘柄に流れないような工夫も必要だったのではないか、と思っています。
フットワーク系も一新されています。プラットフォームはルノー日産三菱アライアンスで共同開発された新開発となるCMF-CD(ボディ剛性先代比40%アップ)を採用。
サスペンションも新開発でフロント:ストラット(サス剛性55%アップ)/リア:マルチリンク式(スタビリティ性能10%アップ)、ステアリング系も新開発の高応答システム(ラックEPS化&ステアリング剛性50%アップ)が採用されています。タイヤは最上級の「G」のみ19インチ、他は18インチを履きます。
運転支援デバイスはナビリンク機能付プロパイロットやプロパイロットパーキングをはじめ、クラストップレベルの充実ぶり。
コネクテッド機能も多彩なコンテンツと対話型インターフェース(ハローニッサンやアレクサ)など、最新のデバイスが採用されています。
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