「まぢピンチ」京都市バス・地下鉄が“悲鳴” 窮状伝える斬新「見える化」策が話題 「シュール」「超わかる」とSNS反響
京都市交通局のトップページに掲載されたとあるイラストがSNSで話題に。どういった内容なのでしょうか。
「まぢピンチ」厳しい経営状況を表したシュールなイラストが話題に
新型コロナウイルスの感染が拡大してから、政府で行動制限が設けられ、その分さまざまな業種に影響が及んでいます。
そんななか、京都府京都市内や周辺地域の市バスや地下鉄などの公営交通事業を運営する「京都市交通局」では、経営状況について訴えるとあるイラストが公開され、SNSの一部で話題に。どういった内容なのでしょうか。
京都市交通局のトップページを開くと、ページの真ん中に大きくイラストが掲載されています。
イラストは、女の子3人が机に座り授業を受けている様子が描かれていますが、ホワイトボードには「市バス・地下鉄ご利用状況25%↓ お客様激減」と京都市の経営状況を具体的に示す文字が書かれています。
この数値に対し、「まぢピンチ」「それな」と数値減少のシビアな内容とはうらはらにゆるいタッチで経営状況の危機について描かれています。
このイラストおよび経営状況について、SNSでは多くの反響があり、「超分かる」「時代なのかなあ。シュールだけど分かりやすくて良い!」「シュールだね」といった声が寄せられています。
イラスト下の詳細ページに飛ぶと、トップページのゆるいイラストのタッチからは一変、経営状況に関してグラフを用いて具体的に記載されています。
「市バスお客様数」では、2019年度は35.7万人のところ、2021年度は26.8万人と25.1%の減少、「地下鉄お客様数」では、2019年度は40万人のところ2021年度は29.5万人と26.2%減少したといい、新型コロナウイルスの影響でコロナ前と比較して数値が大きく減少していることが分かります。
では、今回なぜゆるいイラストを起用することとなったのでしょうか。これについて、京都市交通局総務課の担当者は以下のように話します。
「京都市バス・地下鉄は新型コロナウイルス感染前に比べて利用者の減少が著しく、財政危機となっています。
今までは数値に関して報告書を作って終わりと、情報発信について積極的とは言い難かったですが、今後は関心のない人でも目を引くような『見える化』という形で発信をしていなければということでこのようなイラスト製作に至りました。
入り口はゆるくて詳細ページを見るとシビアと言われることもあるのですが、多くの人に関心を持って状況について知っていただければと思っています。
今回のイラストだけでなく今後も展開する方向で検討しています」
イラストのキャラクターは、京都市営地下鉄利用促進プロジェクトの従来から存在する地下鉄・市バス応援キャラクターが起用されており、メインキャラクターの「太秦萌」のほか、幼馴染の「松賀咲」「小野ミサ」と、萌の姉「太秦麗」が描かれています。
今回のイラストのタッチについて前出の担当者は、「正規のデザインを使わずにちびキャラのような形でポップに製作しています」と話します。
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今回のケースは京都市交通局が打ち出した斬新な策といえますが、本来報告書でまとめられた内容についてもこうしたポップな手段で提示することで、多くのユーザーの目に届きやすいといえます。
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