「ギャグみたいな地名だな」高速標識にツッコミ殺到 なぜ“回文”に?意外な理由とは
福岡県を走る九州道に変わった標識が存在するといいます。どういったものなのでしょうか。
初心者混乱!? 一見驚く意外な標識とは?
全国には珍しい標識が各地に存在します。
なかでも福岡県を走る九州道に設置されている標識のひとつがSNSで話題に。どういった標識なのでしょうか。
マロキチ(@marokichi09)さんは、「何度見ても魅了される案内標識」というコメントともに1枚の写真を投稿しました。
写真には九州道のIC出口の予告標識が写っていますが、書かれているのは「若宮 宮若」という、回文のような2つの地名。
このややこしい標識に対してユーザーからは、「いやどっちだよと心のなかでツッコミを入れてました」「ある意味初見殺し」「ギャグみたいな地名ですね」との反応が寄せられています。
なかには、「似てそうで似てないのに、名古屋鉄道の尾西線・西尾線がありますね」「島根県鳥取県並みの難易度」などと反応するユーザーも見られました。
この標識のある福岡県宮若市は、1889(明治22)年の町村制施行によって宮田村や若宮村など8つの村が誕生し、その後徐々に村同士が合併。
1926(大正15)年には宮田村が宮田町に、1943年(昭和18年)には若宮村が若宮町にそれぞれ昇格しました。
そしてその後も町村合併が続き、2006(平成18)年2月11日には宮田町と若宮町が合併して宮若市の発足に至ります。
この標識について、NEXCO西日本九州支社の広報担当者は以下のように話します。
ーーSNSではこの標識について「初心者は間違えそう」といった声も見られていますが、なぜこういった表記となっているのでしょうか。
「IC出口案内の予告標識は、原則として左側にIC名称である『若宮』、右側にICから行ける都市名である『宮若』を記載しております」
ーー「若宮」という地名は市町村合併によってなくなりましたが、なぜ今はなき「若宮」が標識に残されているのでしょうか。
「平成18年の市町村合併による名称変更当時、IC名称変更の動きはなかったと思われます。
昭和52年の(九州道の)開通以降、『若宮IC』として定着しているためだと思われますが、十数年前の話で定かではありません」
かつてこの標識には「若宮 宮田」と書かれていましたが、宮田町が合併したため「宮若」に変わりました。
今は「若宮」という自治体は消滅しましたが、IC名として存続し、結果として写真の回文のような標識になったと考えられます。
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九州道の若宮ICように、自治体名が変わってもIC名が変わらないケースとしては、ほかに中央道の勝沼IC(山梨県勝沼町→甲州市)や、中国道の滝野社IC(兵庫県滝野町・社町→加東市)など複数あります。
しかし一方で、長野道の安曇野IC(長野県安曇野市)のように、かつての自治体名だった「豊科」から「安曇野」にICの名称を変更したケースもあります。
高速道路のIC名や標識の地名順などを見て、歴史や意図に思いをはせるのもおもしろいかもしれません。