クルマの「オド/トリップ」メーターはなぜ存在? 距離を測る役割でも違う用途が存在するワケ
クルマのメーターパネルには距離を測る「オドメーター」と「トリップメーター」がありますが、それぞれどのような役割を持っているのでしょうか。
意外と知らない?「オドメーター」と「トリップメーター」の役割は?どんなときに活用するの?
クルマのメーターパネルには、さまざま機能が集約されています。
なかでも、距離に関する情報を表示する「オドメーター」と「トリップメーター」がありますが、それぞれどのような役割を持っているのでしょうか。
クルマのメーターパネルには、走行速度を示す「スピードメーター」やエンジンの回転数を示す「タコメーター」、燃料の残量を示す「燃料計」など、さまざま機能が集約されています。
また、警告灯や警告文の表示もメーターパネルの重要な役割のひとつで、走行中の車両トラブルは、メーターパネルから分かるようになっているのが一般的です。
クルマによって、搭載されているメーターの種類が異なったり、表示方法もアナログ/デジタルと違いはありますが、運転者にとってメーターパネルの情報が運転の指標のひとつであることは間違いありません。
そんなメーターパネルには「オドメーター」と「トリップメーター」が搭載されています。
どちらも距離に関する情報を表示しているメーターですが、その役割にはどのような違いがあるのでしょうか。
オドメーターは「ODO」、トリップメーターは「TRIP」とされているのが一般的です。
最近ではデジタル表示のものが多く、年式の古いクルマではアナログでカウンター式の表示方法が採用されていることもあります。
それぞれ別のメーターとして表示されていることもあれば、ボタンを押すことでオドメーターとトリップメーターが切り替えられるようになっていることもあり、クルマによって仕様は異なります。
東京都内の国産メーカー販売店の担当者は、オドメーターとトリップメーターのそれぞれの役割について以下のように話します。
「オドメーターは、新車の段階からトータルで走行した『総走行距離』を測定するものとなっています。
一方のトリップメーターは、運転者自身でリセットできるメーターとなっており、自由に『区間走行距離』を計測できるようになっています」
オドメーターの情報は、なんらかの事情でメーターを丸ごと交換することになったとき以外は、リセットされることはありません。
例えば、中古車を購入する際には、どのくらい走行したクルマなのかを確認したり、交換の間隔が長めな消耗パーツを交換したりする際のひとつの基準として「総走行距離」が重要となります。
ミッションオイルやスパークプラグ、エアクリーナーなど、数万km単位の交換ペースのパーツは、交換時にオドメーターの距離を記録しておくことで、次回の交換距離の目安をたてられます。
一方、トリップメーターには、「A」と「B」があるのが一般的です。どちらも役割は同様ですが、ふたつの「区間走行距離」を同時進行で計測することができます。
トリップメーターを活用するタイミングとしては、例えばガソリンを給油したときが挙げられます。
ガソリンを入れた際にトリップメーターで計測を開始すると次の給油時(ガソリンがほとんど入っていない状況)までの区間距離をガソリンの給油量で割ることで、おおよその燃費を計算することができます。
また、前出の担当者によるとエンジンオイルなど、比較的交換ペースの早い消耗品パーツの交換時にもトリップメーターを活用する人がいるようです。
このように、“距離を測る”といううえでは似た役割を持つオドメーターとトリップメーターですが、両者にはそれぞれ重要な役割があることがわかります。
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オドメーターは普段あまり活用していないという人もいるかもしれませんが、クルマの燃費はときにエンジンといった燃焼機関の調子でも左右されることがあるため、これを機にガソリン給油時の活用を習慣化すると良いかもしれません。
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