新型「ノアヴォク・ステップワゴン」3ナンバー車になぜ変更? 大型化の恩恵は? ボディ拡大が必要な訳
3ナンバー車が増えていても、実際に売れているのは5ナンバー車!?
ほかにも3ナンバー車が増えた理由として、走行安定性の向上も挙げられます。
全幅をワイドにすれば、トレッド(左右のホイールの間隔)も広がって、安定性を高められます。
とくに最近は背が高いSUVが増えており、全高を拡大させながら走行安定性を確保するために、全幅を広げてボディの縦横比をセダンやワゴンに近付けるというわけです。
例えばコンパクトカーのトヨタ「ヤリス」は全高が1500mm、全幅が1695mmと、全幅は全高の113%になります。
全高が1700mmのSUVが、ボディの縦横比をヤリスと等しくするには、全幅を113%の1921mmまで拡幅しなければなりません。そのためSUVには全幅が1800mmを超える車種が多いのです。
2022年6月にレクサス新型「RX」が世界初公開されましたが、先代型と比べて全長は変えずに全幅は25mm拡大して1920mmとしました。また、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も60mm伸ばしました。
このように背が高く重心も高いSUVで走行安定性を追求すると、全幅を拡大する必要があります。そこに衝突安全性の向上も加わり、全幅を拡大するニーズが一層強まりました。
3ナンバー化は外観の見栄えも影響しています。全幅が広がると、視覚的な安定感も強調されるからです。
とくにSUVでは、全幅を拡大しないと外観が腰高に見えるという事情もあり、ワイドな3ナンバー化でデザインのバランスを取っているというわけです。
根本的なクルマ造りの話としては、商品開発が海外向けになっていることも3ナンバー車が多くなった理由のひとつです。
セダンはその典型で、海外指向を強めたことで3ナンバーサイズのセダンが増加して、国内での売れ行きが下がって5ナンバーセダンはますます減りました。
ワゴンも減っています。ワゴンは日本ではミニバンに顧客を奪われ、海外ではSUVに押され、売れ行きを下げました。ワゴンのニーズが下がって車種数も減少しています。
こういった販売動向になり、国内で新車として販売されるクルマの40%近くを軽自動車が占めています。
小型/普通車についても、売れ筋はヤリスやトヨタ「ルーミー」「アクア」、日産「ノート」、ホンダ「フィット」といった5ナンバーサイズのコンパクトカーになり、国内販売台数の約25%に達します。
軽自動車とコンパクトカーを合計すると、国内で新車として売られるクルマの60%以上になり、ライズやトヨタ「シエンタ」、ホンダ「フリード」といった5ナンバーサイズのSUVやミニバンも加えると70%に達するのです。
つまり3ナンバー車が急増しているのに、実際に購入されている車種は軽自動車を含めて5ナンバー車が中心です。
衝突安全性能や走行安定性を向上させるため、さまざまなカテゴリで3ナンバー車が増えていますが、日本のユーザーが本当に望んでいるのは、安心して使える運転のしやすい5ナンバー車なのです。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
日本専売の5ナンバー車種を増やすのは難しいだろうな。
海外より販売台数も少ない上に極端な値上げも出来ないから採算面で厳しいだろうし。
そりゃあ3ナンバーの世界戦略車が増える訳だな。
こんなあたかも正論を言ってるように言ってる記事をのせてしまうから、日本の車は世界に通用しなくなるんだろうなー。
小回りどうこうなら問答無用でコンパクトミニバンのフリードやシエンタを選ぶでしょ
3ナンバー云々もボデーサイズの3ナンバーなら自動車税も2000cc以下の39500円だし
ミニバン乗る本来の理由って人がいっぱい乗れて、その上荷物もいっぱい積めるって所
元々の車重が1500~1700kg、人や荷物が乗ったら約2t
本来なら2400から3000ccのエンジンパワーやトルクが無きゃ力不足
そこを補えるなら、数mmサイズが大きいくらい気にしないでしょ
最初っからミニバン買うつもりの人達なんだから