街中で見たら笑うしかない!? 巨大&超絶ゴツいスーパークロカン車3選

2010年代以降、世界的に人気が急上昇したSUVですが、さまざまなジャンルやセグメントのモデルが存在します。そこで、かつて販売された大迫力のSUVを3車種ピックアップして紹介します。

巨大&超絶ゴツいスーパークロカン車を振り返る

 近年、世界的に人気となっているSUVですが、もはやブームといっても過言ではなく、各メーカーの新型車の多くがSUVで占められている状況です。

巨大で見た目も超絶ゴツいスーパークロスカントリー車たち
巨大で見た目も超絶ゴツいスーパークロスカントリー車たち

 このSUVにはさまざまなジャンルとセグメントのモデルが存在し、100万円台で購入できるコンパクトな「クロスオーバー」から、全長5m・全幅2m級の巨大かつ高級な「クロスカントリー4WD」まで多彩です。またSUVはスペース効率に優れることから電動SUVも続々と登場しています。

 そして、SUVの起源を遡ると、悪路走破性を最優先したクロカン車(クロスカントリー型四輪駆動車)、さらに質実剛健でゴツい軍用車へとたどり着きます。

 そんなSUVの原点を想わせる超絶ゴツい見た目の巨大なクロカン車を、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「メガクルーザー」

国産車のなかでもひと際巨大で卓越した悪路走破性を誇った「メガクルーザー」

 トヨタのクロカン車といえば、長い歴史があり今も世界中で人気を博している生粋のオフロードカー「ランドクルーザー」シリーズが挙げられますが、このランドクルーザーを上まわる悪路走破性を実現したモデルが、1996年に誕生した「メガクルーザー」です。

 メガクルーザーが開発された経緯は、もともと陸上自衛隊の「高機動車」をベースに民生用に仕立てられたもので、第二次世界大戦の米軍車両の系譜を受け継いだ三菱「ジープ」などと同様の由来をもちます。

 デザインは四角を組み合わせた完全にスクエアなフォルムのステーションワゴンタイプで、高機動車がソフトトップのオープンボディを基本としたトラックだったのに対し、メガクルーザーはメタルトップのワゴンでした。

 ボディサイズは全長5090mm×全幅2170mm×全高2075mmとかなり巨体を誇りましたが、日本の道路事情でも機動力が発揮できるように最大12度の逆位相4WS(4輪操舵)を採用しており、最小回転半径は5.6mを実現。

 室内は2+4名の2列シート6人乗りで、前席はトランスミッションを納める都合で乗員のスペースはそれほど広くはありませんが、後席スペースと荷室は広大でした。

 搭載されたエンジンは最高出力155馬力の4.1リッター4気筒ターボディーゼルのみで、トランスミッションは4速ATが組み合わされ、駆動方式はハイ・ロー切り替え式の副変速機を持つフルタイム4WDを採用。

 前後のディファレンシャルギヤにデフロック付きのトルセンLSDを装備し、後輪にはオプションでタイヤの空気圧調節機能も装着可能となっており、最低地上高を420mm確保するなど、まさにあらゆる路面での走行に対応していました。

 メガクルーザーは962万円(消費税含まず)で販売されましたが、基本的な用途は救難救助車、救急車、未開地域走破用としており、個人で所有するケースは稀でした。

 その後、2002年に販売終了となりましたが、高機動車は現在も継続して自衛隊に納入されています。

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●メルセデス・AMG「G63 AMG 6×6」

超絶ゴージャスな内装に加え6輪駆動によって道なき道の走行を可能にした「G63 AMG 6×6」

 メルセデス・ベンツが誇る高級クロカン車「Gクラス」は、今も納車待ちが長期にわたるほどの人気です。誕生したのは1979年で、NATOの軍用車両だった「ゲレンデヴァーゲン」を民生向けに改良して発売されました。

 これまでGクラスには数多くのバリエーションが存在し、さらにメルセデス・AMGの手によって特別に仕立てられたモデルもあり、そのなかでも群を抜いて巨大かつラグジュアリーなモデルだったのが2013年に世界限定100台で発売された「G63 AMG 6×6」です。

 G63 AMG 6×6は、Gクラスのトップモデルだった「G63」をベースにホイールベースを伸ばし、軍用車の技術を転用した前2輪、後4輪の6輪ピックアップトラックとして開発されました。

 外観のデザインはGクラスに準じていましたが、ボディサイズは全長5875mm×全幅2110mm×全高2110mmと、小型のマイクロバスほどの大きさで、巨大なカーボンファイバー製オーバーフェンダーとフロントルーフスポイラー、荷台にはロールケージが装着され、見るものを圧倒するスタイルをほこりました。

 これほどの巨体ながら乗車定員は4名で、内装は素材やデザインもオーダーでき、基本的にはショーファードリブンを想定したゴージャスな後席であり、道なき道でも優雅にオフロード走行を楽しめることをコンセプトとしていました。

 エンジンは最高出力544馬力を発揮する5.5リッターV型8気筒ツインターボを搭載し、駆動方式は6WDを採用。

 足まわりは多目的車である「ウニモグ」にも採用された「ポータルアクスル」によって、最低地上高は460mmを確保。渡河深度は1mを実現し、合計5つのデフロック機構やタイヤの空気圧調整システムを搭載することで、砂地、岩場、泥ねい地といったあらゆる悪路走行に対応していました。

 G63 AMG 6×6は2014年に日本にも限定5台で正規輸入され、当時の価格は8000万円(消費税8%込)と価格もまさにスーパーでした。

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●ランボルギーニ「LM002」

ランボルギーニ初のSUVでプレミアムなクロカン車の先駆けだった「LM002」

 昨今のSUV人気によって、それまでSUV市場に参入していなかった高級車メーカーも次々とSUVを開発し、今では主力車種として販売されています。

 なかでも大きな話題となったのが2018年に発売されたランボルギーニ「ウルス」で、生粋のスーパーカーメーカーがつくったSUVとしてセンセーショナルなデビューを飾りました。

 しかし、ランボルギーニ初のSUVはウルスではなく、実は1980年代にもSUVを販売していました。それが、1986年に発売された「LM002」です。

 LM002は、リアミッドシップのアメリカ軍向け高機動車「Cheetah(チーター)」のプロトタイプを基礎として開発されたもの。ただしチーターは制式採用に至らず、民生版のLM002もリアミッドシップからフロント搭載に変更しています。

 アルミとFRPでつくられた直線基調の外観はチーターのイメージを踏襲していましたが、フロントエンジンとしたことでボンネット高が上がっており、ボディ後部を荷台としたダブルキャブのピックアップトラックでした。

 ボディサイズは全長4790mm×全幅2000mm×全高1850mmと堂々とした体躯で、当時のSUVとしてはかなりの巨体といえます。

 エンジンは「カウンタック」から流用された5.2リッターV型12気筒を搭載。過酷な環境下でも使用できるように改良したうえで最高出力420馬力を発揮。

 駆動方式はフルタイム4WDで、悪路走破性の高さだけでなく、最高速度210km/h、0-100km/h加速7.8秒と、当時のオフロードカーとしては驚異的な走行性能を誇りました。

 内装はオールレザーのゴージャスな装いで、オーダー次第でさまざまな装備を追加できるなど、LM002はプレミアムSUVの先駆け的存在でした。

 その後、LM002は1993年に生産を終了し、前出のウルスによってランボルギーニ製SUVは25年ぶりに復活を遂げました。

※ ※ ※

 悪路走破性が高いクロカン車ですが、日本ではその性能をフルに発揮するシチュエーションはほとんどありません。

 ではクロカン車の人気の秘訣というと、やはり「本物」の道具のような機能美に通じるのではないでしょうか。

 クロカン車の性能は日本の道路ではオーバースペックですが、本物だけが持つ性能はスポーツカーと同じく大いに魅力的です。

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