クルマのホイール、アルミにする利点は? 絶対ではないその効果

「アルミホイールで燃費が良くなる」は本当?

 クルマの燃費をよくする方法は、いろいろとあります。エンジンやトランスミッションを改良して抵抗や損失を減らし、燃焼効率を高める。空気抵抗を減らす。タイヤの転がり抵抗を少なくする。そして重量を減らす。こうしたことを実施すると燃費はよくなります。ただし、エンジンやトランスミッションの改良、空気抵抗を減らすといったことは、自動車メーカーの仕事。普通のユーザーが愛車にできるのは、タイヤと重量の改善です。

 低燃費タイヤへの交換については本稿の趣旨とずれるので割愛しますが、重量の改善という意味においても、タイヤおよびホイールの交換は定石のひとつといえるでしょう。

 というのも、タイヤとホイールはあわせると相当な重さになるからです。もちろんそれらのサイズが大きいほど、重量はどんどんかさみます。ざっくりいえば、軽自動車がよく履く13インチのタイヤとホイールで1本あたり約12kg、「プリウス」程度の大きさのクルマが使う16インチで20kg程度になり、それが1台につき4本もあります。意外と、タイヤ&ホイールは重量物なのです。

 A地点からB地点まで物を移動させるとき、それが軽ければ軽いほど必要なエネルギーは少なくてすみます。エネルギーが少なくてよければ、当然、燃費も良くなります。燃費の良さはセールスポイントのひとつになるため、自動車メーカーはどこも必死で軽量化に取り組んでいるのが現状です。

 そこで注目したいのがアルミホイール。アルミは鉄よりも軽いので、上手くすれば鉄より軽いアルミのホイールを作ることができます。軽量なアルミホイールが「燃費に効く」という“うたい文句”で販売されるのは、そういう理由です。

 ただし、“本当に軽いアルミホイール”となると、意外と少ないものです。なぜならアルミは鉄より柔らかいので、しっかりとした強度を得るためにはそれなりの量のアルミを使用して作る必要があります。また、デザインを優先してボリュームたっぷりにすれば、当然、重量もかさみます。

 燃費向上に効果的な軽いアルミホイールにするには、スポークのデザインを細くしつつ、しかも頑丈に作らなければなりません。そのため「鍛造」という凝った製法で作られたアルミホイールもありますが、もちろん凝ったぶん、鍛造のアルミホイールは値段が高くなります。そうしたこともあり、頑丈な軽量アルミホイールはたいていの場合、普通のアルミホイールよりも高いプライスがつけられています。

 なお頑丈といっても、やはり柔らかいアルミです。段差を勢いよく越えるなど乱暴な運転をすれば簡単にヒビが入ってしまうため、丁寧な扱いが求められます。

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