早めのライトなぜ浸透しない? クルマの自動ライト義務化、抱える問題

なぜ「薄暮時の点灯」が不要と思うのか ドライバーの声

 以前、薄暮時のヘッドライト早期点灯を推奨すべく日産自動車が実施している交通安全活動「おもいやりライト運動」の取材を通じ、人々がヘッドライトに対してどのような意識を持っているのか、触れる機会がありました。そこで、夕方に“あえて”ヘッドライトを点灯させない人は、次のように考えていることを知りました。

「ヘッドライトを点けると燃費が悪くなる」
「ヘッドライトを点けると、まぶしくて対向車に迷惑をかける」
「自分は目が良いので、少々暗くても困らない。なんのためにヘッドライトを早めに点ける必要があるのかわからない」

 夕方、ヘッドライトを早めに点灯すると周囲に自車の存在をアピールできる、すなわち“交通事故防止につながる”という一番重要なことが理解されていなかったのです。

 JAF(日本自動車連盟)が2014年8月、「18歳以上の自家用自動車ユーザー」を対象に実施したアンケート(有効回答者数2444人)でも、薄暮時から夜間にかけての交通事故対策に「早めのライト点灯」が推奨されていることを知っており、かつ実践している人の割合はおよそ半分、55.8%に留まりました。なお「知らなかったが実践している」は24.9%、「知っているが実践していない」は12.9%、「知らないし実践もしていない」は6.4%です。

 もちろん、実際にヘッドライトを点灯させると電力を消費するので、厳密にいえば燃費は悪化します。しかし、日中と夜間で燃費の違いに気付く人はいませんよね。その差は、数字に表れるようなものではありません。また、照明器具メーカーは消費電力の少ないライトの開発に力を入れており、最新のLEDヘッドライトであれば消費電力は本当にささいなものです。

 また、「対向車がまぶしい」のはクルマの調整不良、もしくは故障が理由と考えられます。いまはヘッドライトに光軸の調整機能がついていますから、まぶしいのはそこがおかしい可能性が高いでしょう。自分のクルマに問題がなければ、早期点灯で対向車に迷惑をかけることはありません。

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