外したスタッドレスタイヤの劣化が進む!?「やっちゃダメ!」NGな保管方法とは?
ホイール装着あり/なしでタイヤの置き方が変わる
●空気圧をパンパンにしておく
タイヤの空気は、パンクなどをしていなくても徐々に減っていきます。そのため、月に一度は空気圧の点検をしておきたいところです。
そして、次のシーズンまで半年以上使用しなくなるスタッドレスタイヤも、保管中に徐々に空気圧が減少していきます。
それ自体はやむを得ないことなのですが、半年後に装着することを見越して多めに空気を入れておくというのは、一見すると良いアイデアとも思えますが実はNG。
というのも、規定よりも多く空気を入れることでタイヤに過度な負荷がかかり、劣化を早めてしまう恐れがあるからです。
そのため、保管中は規定よりも空気圧を少なめにしてタイヤへのストレスを軽減させるほうが効果的。
最近のクルマはスペアタイヤが装備されない代わりにパンク修理キットが搭載されているものが増えています。
そのキットのなかにシガーソケットから電源を取ることで作動する空気入れが入っているので、冬になってスタッドレスタイヤを装着するときは、その空気入れを使って規定まで空気圧を上げるのと良いでしょう。
●タイヤの置き方
外したタイヤを保管する場合、横に寝かせた状態で重ねて置いている人も多いでしょう。
これは、タイヤがホイールに組み込まれている状態であれば問題ありませんが、もしホイールから外した状態のタイヤを単体で保管する場合は、積み重ねた一番下のタイヤが変形してしまう可能性があるためオススメできません。
ベストは縦に立てた状態で保管することですが、どうしてもタイヤ単体を横に重ねて保管する場合、定期的に上下を入れ替えるなどをすると変形を防ぐことができるでしょう。
一方、ホイールが付いたタイヤを立てた状態を長くキープすると、今度は地面と接地している部分だけ変形してしまい、装着して走り出したときに振動の原因となってしまいます。
タイヤラックなどもスペース的には有効ですが、こちらもタイヤに点や線で力がかかってしまうので、その場合は定期的に動かすなどすると良いでしょう。
※ ※ ※
よく“タイヤはナマモノ”といわれますが、同じ製造タイミングで同じ距離を走ったタイヤであっても、保管方法によってその後の状態が大きく変わってきてしまいます。
とくに、スタッドレスタイヤはタイヤの残り溝だけでなく、タイヤの柔軟性も性能に大きく直結します。
そのため適切に保管して、次の冬のシーズンに向けて少しでも良い状態をキープしておきたいものです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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