ランクル4年、ジムニー1年! SUVの納期が遅れる「半導体不足だけじゃない」根本的な原因
ジムニーは増産しても納期遅れが解消されない
ヴェゼルも売れ筋グレードの「e:HEV・X」などが6か月以上で、前述のように「e:HEV・PLaY」は受注を停止しています。
ホンダの販売店は、「ヴェゼルは納期が全般的に長く、その中でもPLaYは1年以上に達したので受注を一時停止しています。PLaYには専用装備のパノラマルーフ(ガラスルーフ)が標準装着され、生産規模も小さかったのですが、そこに予想以上の注文が集まったので納期が延びて受注を停止しました」と説明しています。
ヴェゼルの納期遅延もメーカーが需要を読み誤ったことです。昨今の国内市場では、ヴェゼルのようなコンパクトSUVの人気が急上昇しているのに、十分な生産規模を持たせなかったから納期も延び、さらにe:HEV・PLaYは「欲しくても買えない」という状態になっています。
また以前のヴェゼルは、寄居工場(埼玉県)で生産していましたが、今は「N-BOX」などの軽自動車と同じ鈴鹿製作所(三重県)に移されています。
販売店からは「鈴鹿製作所が過密でヴェゼルの納期に影響を与えているのではないか?」という声も聞かれます。
納期遅れが長期間にわたって継続しているスズキのSUVとして、ジムニーも挙げられます。
納期は、2018年に現行型を発売してから、ほぼ一貫して1年から1年半に達しますが、新型コロナウイルスの影響で納期が遅延を始めたのは2020年以降なので、それ以前に始まったジムニーの納期遅れは生産規模の問題です。
それでもジムニーは、ほかのSUVに比べると増産に力を入れました。発売直後の届け出台数は1か月に約1800台でしたが、2021年は3300台弱に達します。生産台数を2倍近くまで増やしましたにもかかわらず、納期は短くなりません。
このジムニーの納期遅延についてスズキの販売店は「ジムニーの需要は、増産するほど増えてくる印象を受けます。街中で見かけるようになり、欲しいと思うお客さまも増えているため、需要も減らないのでしょう」といいます。
ここまで人気が根強いなら、生産ラインをさらに増やすことはできないのでしょうか。
この点についてメーカーの商品企画担当者に尋ねました。
「ジムニーはお客さまを長く待たせる商品ですので、もっと増産して納期を短く抑えたいのですが、生産ラインを増設するとその後も長く同じ生産ペースを保つ必要が生じます。
生産台数が減ると余分な生産設備を持つことになり、将来のクルマの需要を考えると大幅な増産には踏み切れません」
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昨今高い人気を誇るSUVはさまざまな理由で納期が遅延していますが、その根本的な原因は、需要に対して生産規模が小さいことです。そこに新型コロナウイルスの影響も加わり、ますます納期が遅延しています。
この悪影響は中古車市場にも波及し、ランドクルーザーやジムニーの中古車価格は、現行型になると新車時の価格を上まわっています。希少価値が生じた結果、中古車がいわゆるプレミアム価格で売られているのです。
しかも現行型の中古車価格につられて、先代型の中古車まで高値で販売されるようになりました。
人気車の納期が遅延すると、新車市場だけでなく、中古車市場の混乱まで招きます。
メーカーは海外だけに関心を奪われず、国内市場の需要を正確に把握して、それに見合う生産をおこなうことが大切です。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
前にどこかで似たような記事を見た気がする…
渡辺陽一郎名物のコピペ記事か?
日本に軽自動車がある弊害です。日本のマーケットを必要以上に小さくしてしまっている。このままでは日本では軽自動車以外は買えなくなってしまう。日本に回って来るのはモデル末期。売り上げの少ないところが冷遇されるのは当然。折角1億人以上の人口があるのに。