トヨタ「GR」に歴史あり!ブランドは一日にして成らず!? 「TOYOTA GAZOO Racing」の名に秘められたヒストリーとは?

スープラが17年ぶりの復活! 「GRは止まらない…」 GRモデルが続々登場!

WRCで闘う「GR YARIS Rally1」

 現在、モータースポーツはWRC(世界ラリー選手権)とWEC(世界耐久選手権)にワークスとして参戦。

 2007年から参戦をおこなうニュルブルクリンク24時間耐久レースは新型コロナウイルスの影響で2019年以降の参戦は休止していますが、関係者によると「GRカンパニーはニュルの活動から始まっているので、切っても切れない関係」とのことです。

 そのほかにもトップカテゴリーからエントリークラスまでさまざまな支援をおこなっています。

 最近ではルーキーレーシングとコラボレーションをおこない、スーパー耐久シリーズで水素エンジンやカーボンニュートラル燃料などの先行開発をモータースポーツの場を活用しながらアジャイルに進めています。

スーパー耐久シリーズに参戦しながらレースの環境で開発が進められている水素エンジン搭載の「カローラ」
2022年からは新たにカーボンニュートラル燃料で走る「GR86」もスーパー耐久シリーズのレース環境で先行開発がスタートした

 量産車は2019年にBMWと共同開発で「GRスープラ」を17年ぶりに復活。

 2020年にはWRCマシンの血を受け継いだスポーツ4WD「GRヤリス」を発売。

 このモデルはトヨタから失われていたスポーツ4WDの技術/技能を最短で取り戻すために、モータースポーツから学ぶクルマづくりを愚直におこなったモデルです。

 このモデルを皮切りに、トヨタの「もっといいクルマづくり」は「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」へとステップアップ。

 2021年に2代目となる「GR86」が登場。本モデルもスバルと共同開発をおこない「SUBARU BRZ」と共に進化しています。

 10年前にスポーツカーゼロだったトヨタが、今ではスポーツカー3兄弟をラインアップとは驚きです。

 そして、2022年には新たなGRモデルとして「GRカローラ」の存在が発表され、GRの勢いは留まることを知りません。

 このようにGRは大きな組織へと成長を遂げましたが、「トヨタを変革する起爆剤」、「モータースポーツをもっといいクルマづくりに活かす」という目的は、発足時とまったく変わっていません。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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