たった100mの首都高「8号線」廃止へ 真下にトンネル建設 浮上した都心の高速改造計画とは

首都高速8号線の廃止が計画されています。日本橋区間の地下化に絡んで浮上した都心の高速改造案は、どのようなものなのでしょうか。

8号線廃止後は「新京橋連絡路」を建設

 東京都心を網羅するように整備された首都高速は、放射状に延びる路線に1号から11号まで番号が付いています。

 しかし7号小松川線の次は9号深川線となっており、あいだの「8号線」は、道路地図を探しても見つかりません。どこにあるのでしょうか。

首都高速都心環状線の京橋出口付近
首都高速都心環状線の京橋出口付近

 実は、この8号線は非常に短い区間ながら存在します。都心環状線の京橋JCTから、東京高速道路(KK線)との接続点である白魚橋乗継所までの、わずか100mです。

 あっという間に走りすぎてしまう距離ゆえ、ドライバーには8号線という独立した名前ではなく、都心環状線の一部として案内されています。

 このように存在感の低い8号線ですが、この路線は近い将来に廃止されて、さらに同じ場所の地下に道路トンネルが掘られる構想が進んでいます。

 2022年2月、都心の繁華街の風景とクルマの流れを大きく変える「東京都市計画道路 都市高速道路第1号線等の変更(素案)」と題した文書が、東京都から改めて示されました。

 東京都心を走る首都高都心環状線やKK線の改良案が示されています。このなかで、8号線に関する記述を見ていきましょう。

 そもそも8号線廃止の計画には、都心環状線の日本橋区間を地下化する計画が関係しています。

 計画では、江戸橋JCTの一部ランプウェイも廃止され、地下化されると都心環状線の京橋方面と神田橋方面の直通ができなくなります。

 普通車はKK線を経由すれば済みますが、大型車はKK線を通行できません。都心環状線の環状機能が失われると、大型車は京橋方面と神田橋方面の行き来ができなくなるのです。

 そのため計画では、八重洲線と都心環状線をつなぐ「新京橋連絡路」を新たに整備して環状機能を維持する方針を立てています。

 新京橋連絡路は、八重洲線とKK線が接続する西銀座JCT付近から都心環状線の京橋JCT付近までを東西に結ぶ路線です。都市計画上では「1号線の連絡路」という扱いになります。現在のKK線と8号線が走るルートの地下に造られます。

 八重洲線とつながり、さらに都心環状線との接続は、現在の京橋方向から銀座方向に変更。これにより神田橋方面と京橋方面の間には、八重洲線と新京橋連絡路を経由する新たな環状ルートが整備されることになります。

 さらに将来的には、都心環状線に向けて延伸してきた10号晴海線との行き来も可能となる方向性で都市計画の見直しが進む見通しです。

 また、これによって役割が大きく低下するとして、KK線は8号線とともに廃止されます。

 新京橋連絡路は、延長約1120mで、2車線(片側1車線)のトンネルで造られます。総事業費は1100億円で、首都高、東京都、民間事業者が負担を分担します。整備は2035年頃までかかることが想定されています。

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