月々定額ってホントにお得? 新車の「リース」と「サブスク」何が違う? どんな人に最適?

「なぜカーリースでクルマに乗ってるの?」利用者に聞いてみた

 一方で、新しいクルマの乗り方として、メーカー各社が力を入れているのがサブスクです。

 定額制の音楽ストリーミングサービスのように、ある商品やサービスを契約期間中は定額で利用できるサービスのこと。つまりカーリースはサブスクの一種ともいえます。

ホンダのサブスク「ホンダマンスリーオーナー」の概要
ホンダのサブスク「ホンダマンスリーオーナー」の概要

 カーリースとサブスクの大きな違いは、契約期間の長さです。

 もちろんサブスクでも数年単位で契約できますが、多くのカーリースが車検時のタイミングまでの長期契約であるのに対し、サブスクは半年単位での自動更新が多く、ホンダのサブスク「ホンダ マンスリー オーナー」などは最短1か月で違うクルマに乗り換えが可能です。

 極端な例ですが、頭金を用意しなくても年間12台もの新車に乗ろうと思えば可能ということになります。

 また、トヨタやホンダなどは任意保険料まで入った定額制となっており、損害保険会社が展開しているサブスクの場合も保険料は含まれています。

 ただしサービス会社によっては、任意保険は自分で加入するものもあります。

 サブスクのデメリットはカーリースとほぼ同じで、「走行距離制限がある」「大幅なカスタムはNG」「契約期間中は解約に違約金がかかる場合がある」といった具合です。

 またコミコミのサブスクの場合、頭金が不要である代わりに月々の支払い額はどうしてもローンより割高な印象になりがちです。

 それでも初期費用はクルマを購入するよりグッと抑えられるので、まとまった金額を必要としない、ハードルが低い買い方ともいえます。

 ちなみに「大幅なカスタムNG」は原則ですが、冬に必要なスタッドレスタイヤはカスタムではなく消耗品となるため、任意で交換が可能です。

 また、傷付けた場合は別途費用が発生する場合がありますが、走行上でよくありがちな飛び石などによる1、2cm程度の凹みや傷などの軽微な損傷程度なら修理費を請求されることはほとんどありません。

 しかし、バンパーを擦ってしまったなどの軽微な修理も自分で直すことを禁じているサブスクも多く、その場合はサービス会社へ報告し、指定する修理工場でのみ修理可能。この辺りはメリット・デメリットが入り混じっています。

 また、サブスクの利用に関しての注意事項のひとつに「車内は禁煙」があります。クルマのなかで喫煙する人は留意したい点です。

※ ※ ※

 実際にサービスを利用している人に話を聞いてみました。ホンダのカーリースを利用して「シャトル」に乗っているFさん(会社員・50代)は、初期費用の安さが利用のポイントだったといいます。

「それまで乗っていたクルマが突然壊れてしまって。子どもの学費などもあり、まとまった頭金を用意できなくてもマイカーとして活用できるシャトルを入手しました」

 Fさんが契約した期間は5年。つまり2回目の車検までは確実に乗ろうという考えがあってのこと。

 長く乗るほどに月々の支払い額は下がり、残価も事前に設定されているので、出費を把握しやすいのがメリットだといいます。

「私みたいに1台のクルマを長期間乗る人にとってカーリースは向いていると思います。

 カスタムにも興味がなく、交換するとしたらスタッドレスタイヤくらい。ナンバー取得もお任せでしたし、定期点検や消耗品交換などもコミコミだったので、余計な出費を抑えられたのは助かりました」(カーリース利用者のFさん)

 Fさんはマイカー通勤している上に、出張などで長距離のクルマ移動もかなり多く、そのぶんカーリース契約満了時には走行距離に関しては別途精算が必要になるようです。

「5年近く経過しましたが、ハイブリッドなので燃費性能も良く、借りている駐車場にも収まりますし、荷物が大量に積めます。

 ラゲッジスペースに細かい傷が付いているので、その辺りも含めて、そのまま残価を支払って購入してしまおうかと考えています」(カーリース利用者のFさん)

 一方のサブスクはどのような人にメリットがあるのでしょうか。Fさんを担当するディーラーのスタッフに話を聞いてみました。

「それほど長距離を走る機会がなくても常に最新モデルに乗りたいという人がけっこう多いのですが、そのような人にとって、諸経費の支払いもなく定額で乗れるサブスクは最適だと思います」

 近年は、安全装備の運転支援技術などが毎年のように進化しており、最新のモデルに乗り続けたいと考えるのも一理あります。

 また、独身→結婚→出産のようにライフステージの変化にも対応しやすい面を考慮すると、サブスクはかなり便利なサービスです。

「ご注意いただきたいのは、故障を未然に防ぐためにも6か月ごとの無料点検は忘れずに受けてほしいことです。

 また短期契約の場合はどうしても割高になってしまいますので、長くお付き合いいただけるほうが、結果としてオトクになります」(ディーラースタッフ)

 カーリースとサブスクは似ている部分も非常に多いサービスですが、事前に残価を設定するため、クルマを手放すときの下取り査定額の低さにがっかりすることがないのが一番のメリットかもしれません。

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1件のコメント

  1. 概ね保険屋やディーラーに聞いた話と同じですね。距離を乗る人には買ったほうが良いという感じ。要するに自分用のレンタカーみたいなものです。
    マイカーはいつも現金払い(諸経費+残金の2回払い)なんでローンなんか組んで損をすることは無いんですが、稀に数日掛けて2000kmくらい走る時はレンタカーがもっと安かったらと思うことはありますね。

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