なぜ人は「痛車」に惹かれる? 「ウマ娘」「ラブライブ」多数登場! 「痛々しいだけ」じゃない 人を虜にする痛車とは
ひと言で痛車といっても種類があった? 違いはわかる?
痛車のベースになるクルマも一辺倒ではありません。
これに関しては、「元々車好きでクルマから痛車を始めた人」と、「アニメが好きでアニメから痛車を始めた人」のふたつに大きく分けられます。
前者はいわゆるスポーツカーやスポーツコンパクト、往年のクラシックカー、スーパーカーなどを痛車にする傾向が強いのに対し、後者は「いかに自分の愛するキャラクターを大きく貼れるか」を元にクルマを選ぶ人が多いように思われます。
そのような人たちはミニバンやワンボックスカー、ステーションワゴンなど、綺麗に貼れる面積が広い「キャンバス」としての考え方が強いものとなっており、クルマ好きからすればとても新鮮な感覚となります。
カスタムカーを痛車にする人も少なくはありません。純正エアロパーツや吸排気系などのライトチューンを施したクルマ車もいれば、タイムアタック用のマシンを彷彿とさせる派手な自作エアロに、エンジン換装レベルのチューニングを施している痛車もあります。
スポコン、ドリ車、環状族、外向き(音響カスタム)など、多種多様なカスタムスタイルに「痛車」という要素を組み合わせたものが非常に多く見受けられます。

最近では「レプリカ痛車」というものも人気です。
これは数々のモータースポーツ参戦車両がまとっていた特色のあるカラーリングを、自分の愛するキャラクターや作品の要素と組み合わせてデザインを作成、痛車にするというもの。
例えば、1990年代に三菱が「ランサーエボリューションIII」で世界ラリー選手権(WRC)に出場した際の「三菱石油」のカラーリングを「ランサーエボリューションワゴン」に適用したもの。
全日本ツーリングカー選手権(JTC)などに参戦していたトヨタが採用した「ミノルタ」カラーを「カローラワゴン」へ適用したりと、基本的に乗っているクルマとつながりのあるカラーリングが選ばれる傾向にあります。
なかには、1985年の東京モーターショーに出展された日産「スカイラインGT パサージュ(グループA仕様)」のカラーリングや、VLNニュルブルクリンク耐久シリーズに参戦する車両のカラーリングなど、非常にマニアックなカラーリングを採用している痛車もあり、モータースポーツ愛好家にとっても楽しめる要素がたくさんありました。
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こうした痛車イベントは痛車天国に限らず、随時日本各地で開催されています。最近ではかつてよりも一般ユーザーに認知された痛車文化/イベントに発展しているようです。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。














































