もうすぐ新型が登場するので振り返る! ひとつ前のスポーツカー3選

近年、新型車の多くをSUVが占める状態が続いていますが、2022年はスポーティなモデルの発売も控えています。そこで、新型のデビューを前にひとつ前のモデルについて、3車種ピックアップして紹介します。

もうすぐ新型が登場! ひとつ前のスポーティカーを振り返る

 ここ数年で世界的に人気が急上昇したクルマといえばSUVで、もはやブームにまで発展したといっても過言ではありません。

新型の登場が秒読み段階となっているので、ひとつ前の世代のモデルを振り返る
新型の登場が秒読み段階となっているので、ひとつ前の世代のモデルを振り返る

 そのため、今や新型車の多くをSUVが占めている状態が続いており、このムーブメントまだまだ沈静化することはないと思われるほどの勢いをキープしています。

 一方で、SUV以外のクルマも少なからず新型が登場しており、2022年はスポーツカーやスポーティなモデルの発売も控えています。

 そこで、これから発売される新型スポーツモデル3車種の、ひとつ前を振り返って紹介します。

●日産「Z34型 フェアレディZ」

シャシ、エンジン共に大きく進化を果たした6代目の「Z34型 フェアレディZ」

日産は1969年に、次世代のスポーツカーとして初代「フェアレディZ」を発売。FRスポーツカーらしいロングノーズ・ショートデッキのスタイリッシュなファストバッククーペで、エンジンなどは既存のモデルから流用することで比較的安価な価格設定となっていました。

 初代フェアレディZは日本で人気を獲得しただけでなく、アメリカではスポーツカーとして空前のヒット作となりました。

 フェアレディZは時代のニーズを反映しつつ代を重ね、2008年に発売された6代目「Z34型」フェアレディZは、初代に原点回帰したようなスタイルで、ボディサイズは全長4250mm×全幅1845mm×全高1315mmという体躯ながら、先代よりも100mmショートホイールベース化されリアタイヤの接地荷重を高め、初代に近い独特のドライブフィーリングを再現したといいます。

 搭載されたエンジンは最高出力336馬力を発揮する3.7リッターV型6気筒自然吸気で、高レスポンス、高出力、低燃費、低排出ガスを実現。トランスミッションは「シンクロレブコントロール」を搭載した6速MTと、7速ATが設定されました。

 その後、追い越し加速やコーナー脱出時の加速性能向上のために、エンジンの中速回転域のトルクアップを図るコンピューターチューニングや、ボディ補強パーツ追加、サスペンションマウントブッシュの見直しなど、細かなチューニングがマイナーチェンジ時に施されています。

 2013年6月には、より高性能なグレードとして「フェアレディZ NISMO」が加わり、2019年7月には2020年3月末までの期間限定モデルとして、「GT-R」と併せてフェアレディZ誕生50周年記念モデル 「フェアレディZ 50th Anniversary」が登場しました。

 そして2022年1月に7代目となる新型フェアレディZが発表され、6月からデリバリーが開始される予定です。

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●ホンダ「FK8型 シビック タイプR」

コンフォートな走りが可能になった新世代の高性能モデル「FK8型 シビック タイプR」

 ホンダの高性能モデルの代名詞となっている「タイプR」シリーズは、1992年に「NSXタイプR」の登場から始まりました。

 以降「インテグラ タイプR」「シビック タイプR」と続き、共通するコンセプトはサーキット走行を視野にいれたハードなチューニングが施されていることです。

 そして、現状では最後のタイプRとなっていたのが、2017年に発売された5代目シビック タイプRです。

 ボディは4代目に続いて5ドアハッチバックで、外観は巨大なリアウイングや複雑な形状のエアロパーツによる迫力あるスタイリングで、スポーティに演出された内装などタイプRシリーズならではの装備を搭載されています。

 エンジンは最高出力320馬力を誇る2リッター直列4気筒VTECターボで、組み合わされるトランスミッションは6速MTのみと、硬派な面はシリーズの伝統を継承。

 一方、従来のシビック タイプRと大きく異なるのが開発プロセスで、それまでのタイプRは標準モデルのシビックをベースにチューニングすることでハイパフォーマンス化していましたが、5代目ではシビック ハッチバック」と同時に開発することで、タイプRながら普段使いにも対応する実用性の向上が図られました。

 具体的には、走行モードを「COMFORT」に設定すればステアリングやアクセルの反応がマイルドになり、サスペンションもソフトなセッティングに変更されるなど、公道で我慢を強いられることなく、ファミリーカーとしても十分に機能します。

 また、走行モードを「SPORT」にセットすればワインディングロード向けのセッティングとなり、「+R」モードではサーキット走行に対応できるなど、新時代のタイプRといえる仕上がりといえました。

 その後、2020年10月にマイナーチェンジがおこなわれ、同年11月には5代目の最後を飾る限定車の「Limited Edition」が発売され、一旦は生産を終了しましたが、2022年中に新型シビック タイプRが発表される予定で、すでにテスト車両が公開済みです。

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●ホンダ「DC5型 インテグラ」

FFスポーツカーとして頂点を極めた存在だった「DC5型 インテグラ」

 ホンダのアメリカ法人は2021年11月11日に、アキュラブランドから新型「インテグラ」を発表。新型インテグラはスポーティな5ドアハッチバッククーペに生まれ変わり、発売は2022年前半の予定で、価格も3万ドル(約370万円)からと公表されています。

 これまでインテグラは2001年7月に発売された4代目が最後のモデルで、ボディは3代目の3ドアハッチバックと4ドアハードトップセダンだったのに対し、3ドアハッチバックのみとなり、グレードは標準モデルの「iS」(後に「タイプS」に改名)と、高性能グレードの「タイプR」の2タイプが設定されました。

 外観はスポーツカーらしいシャープなウェッジシェイプで、タイプRでは巨大なリアウイングが特徴でしたが、よりシックな「ローウイング」仕様もラインナップされました。

 エンジンはiSが最高出力160馬力の2リッター直列4気筒i-VTECに、トランスミッションは5速MTと5速ATを組み合わせ。タイプRはiSと同型の2リッターi-VTECエンジンながら専用のチューニングによって最高出力220馬力を発揮し、トランスミッションは6速MTのみです。

 iSは基本性能が高く、標準モデルながら十分に優れた運動性能を有するモデルでしたが、タイプRは定番のサーキット走行を想定したハードセッティングによって、FFスポーツカーでは最速と評されるパフォーマンスを誇りました。

 完成度が高かった4代目インテグラですが、ニーズの変化から次第に販売台数が低下し、2007年に生産を終了しました。

 そして インテグラの名が15年ぶりに復活を果たすことになりました。

※ ※ ※

 高性能なスポーツカーの登場は大きな話題となりますが、日本の自動車市場では大きな需要が見込めないのが現状です。

 そうしたなかでも、日本でスポーツカーを発売することは大いに意義があることで、英断といえるでしょう。

 今後、EV化がさらに加速するため、純粋な内燃機関を搭載したスポーツカーが増えること自体が、もはや奇跡なのかもしれません。

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1件のコメント

  1. 今年発売のフェアレディーZは書類上『Z34』なわけで7代目というのか、6代目のビッグマイナーと呼ぶかの考え方もあるわけで、そうなると『もうすぐ新型が登場するので振り返る! ひとつ前のスポーツカー3選』というタイトルそのものが正確なのか、偽りなのかが分かれるわな。(笑)

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